督促状の書き方|催促との違いと出す時期、入れる8項目とそのまま使える例文3種、出す前の確認と記録の残し方、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】
請求書を送り、催促のメールも2回出したのに、入金がないまま月をまたいでしまった。次は書面で督促状を出すべきか、何をどう書けば角が立たないのかが分からず、手が止まっている。そんな会社の経営者と、経理や請求の仕事を任された方に向けて書きました。
結論からお伝えします。督促状で大事なのは、強い言葉ではありません。「どの請求の」「いくらを」「いつまでに」「どこへ」払ってほしいのかが、1枚で読み違えずに伝わることです。相手が払っていない理由は、払う気がないからとは限りません。請求書が担当者の手元で止まっていることもあります。この記事では、催促と督促の違いと、督促状を出す時期を整理しました。督促状に入れる8項目、段階ごとの例文3種、出す前に確かめることと出したあとの記録もまとめています。AI(Claude)にコピーして使えるプロンプトもご紹介します。
督促状でつまずく3つのパターン
督促状は、小さな会社では年に何度も出す書面ではありません。出し慣れていないので、言いにくさが先に立ち、出す時期が後ろへずれていきます。よくあるつまずきを3つ並べます。
| つまずき | 会社で起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| どの請求の話かが書かれていない | 相手の経理が請求書を探すところから始まり、返事がさらに遅れる | 請求書の番号・日付・金額・もとの支払期日を必ず書く |
| 新しい期日が書かれていない | 「お早めに」とだけ書いたので、相手のなかで後回しになる | 「〇月〇日までに」と日付で書く |
| いつ、何を送ったかが残っていない | 担当が休むと、何回目の連絡なのか誰にも分からない | 送った日と方法、相手の返事を1つの表に残す |
3つに共通するのは、「入金がないときにどう動くか」が、気づいた人のその場の判断に任されていることです。言いにくい連絡ほど、型と順番を先に決めておくと迷いません。
催促と督促の違いと、督促状を出す時期
催促と督促は、どちらも「約束の期日を過ぎたので、払ってください」と伝える連絡です。ふだんの使い分けでは、催促はやわらかいお願い、督促はそれでも動きがないときの強いお願いを指します。段階ごとに並べると、次のようになります。
| 段階 | 呼び方の例 | 形 | 伝え方の強さ |
|---|---|---|---|
| 期日を数日過ぎた | 入金の確認・催促 | メールや電話 | 行き違いを前提に、確認としてお願いする |
| 催促しても返事や入金がない | 督促状(1回目) | 書面。メールに添付するか郵送する | 事実と新しい期日を、書面ではっきり伝える |
| 1回目の督促状でも動きがない | 督促状(2回目) | 書面を郵送する | これまでの経過を書き、期日を区切る |
| それでも入金がない | 最後のお願い | 書面。送り方は専門家と相談する | 次に取る対応を伝える |
メールでの催促の進め方は入金の催促メールの書き方にまとめています。督促状は、そのあとに出す書面です。いつ書面に切り替えるかは、会社のなかで先に決めておくと迷いません。たとえば「催促のメールを2回送り、2週間たっても返事がなければ督促状を出す」のように決めます。日数は取引の慣習や相手との関係で変わるので、自社で無理のない線を選んでください。
よく似た名前に、裁判所を通す「支払督促」という手続きがあります。これは会社が自分で出す督促状とは別のものです。裁判所の手続きや内容証明郵便を使うか、遅れた分の利息を求めるか、いつまで請求できるかは、法律の判断がからみます。迷ったら、出す前に弁護士などの専門家に確かめてください。この記事では、自社で出す督促状の書き方と段取りに絞ってご紹介します。
督促状に入れる8項目
督促状に入れるのは、次の8項目です。毎回この順で書けば、担当が変わっても抜けません。
| 項目 | 書くこと | 抜けるとどうなるか |
|---|---|---|
| ① 日付と宛名 | 出す日と、相手の会社名・部署・担当者名 | いつの時点の話か、誰あてかが分からない |
| ② 差出人 | 自社の名前・住所・電話・担当者名 | 相手が問い合わせる先に迷う |
| ③ 表題 | 「お支払いのお願い」「督促状」など | 何の書面か、ほかの郵便に紛れる |
| ④ どの請求か | 請求書の番号・日付・内容(品名や工事名) | 相手が請求書を探すところから始まる |
| ⑤ 金額 | 払われていない金額。一部だけ入金があれば残りの額 | 相手の帳簿と合わず、確認の往復が増える |
| ⑥ もとの期日と、新しい期日 | 当初の支払期日と、「〇月〇日までに」の日付 | 「お早めに」では後回しになる |
| ⑦ 振込先 | 銀行名・支店・口座の種類・番号・名義 | 請求書を探し直す手間で、また遅れる |
| ⑧ 行き違いのおわびと連絡先 | 「すでにお支払い済みの場合はご容赦ください」の1文と、事情があるときの相談先 | 入れ違いで払った相手を怒らせる |
④と⑤は、もとの請求書と1字も違わないように書きます。請求書の項目のそろえ方は請求書の書き方でご紹介しています。督促状には、もとの請求書の写しを同封しておくと、相手の確認が1回で済みます。書面を郵送するときに添える1枚は送付状の書き方の型が使えます。
書かないほうがよいこともあります。相手を責める言葉、事実か確かめていない推測、根拠のない「法的手段を取ります」の一言です。強い言葉は、書いた側の逃げ道もふさぎます。事実と期日だけを、淡々と書いてください。
そのまま使える例文3種(1回目・2回目・最後のお願い)
段階ごとの例文を3つ並べます。〇〇の部分を自社の内容に置き換えて使ってください。振込先などの数字は、必ずもとの請求書から写します。
例文1|督促状(1回目)
〇年〇月〇日 株式会社〇〇 経理ご担当者様 (自社名・住所・電話・担当者名) お支払いのお願い 拝啓 平素は格別のお引き立てをいただき、ありがとうございます。 さて、下記のご請求につきまして、本日時点でご入金を確認できておりません。 ご多用のところ恐れ入りますが、ご確認のうえ、〇月〇日までにお振り込みくださいますようお願いいたします。 なお、本状と行き違いでお支払い済みの場合は、どうぞご容赦ください。 敬具 記 ・請求書番号:〇〇(〇年〇月〇日付) ・内容:〇〇 ・ご請求金額:〇〇円(税込) ・当初のお支払期日:〇年〇月〇日 ・お振込先:〇〇銀行 〇〇支店 普通 〇〇〇〇 (名義) 以上
例文2|督促状(2回目)
〇年〇月〇日 株式会社〇〇 代表取締役 〇〇様 (自社名・住所・電話・担当者名) 督促状 前略 下記のご請求につきまして、〇月〇日付の書面でお支払いをお願いいたしましたが、本日時点でご入金を確認できておりません。 つきましては、〇月〇日までにお振り込みくださいますよう、重ねてお願いいたします。 ご事情がおありの場合は、同日までに下記の担当あてにご連絡ください。 なお、本状と行き違いでお支払い済みの場合は、どうぞご容赦ください。 草々 記 ・請求書番号:〇〇(〇年〇月〇日付) ・ご請求金額:〇〇円(税込) ・当初のお支払期日:〇年〇月〇日 ・これまでのご連絡:〇月〇日 メール、〇月〇日 お電話、〇月〇日 書面 ・お振込先:〇〇銀行 〇〇支店 普通 〇〇〇〇 (名義) ・ご連絡先:(担当者名・電話・メール) 以上
例文3|最後のお願い(専門家に相談してから出す)
〇年〇月〇日 株式会社〇〇 代表取締役 〇〇様 (自社名・住所・電話・代表者名) お支払いについての最後のお願い 前略 下記のご請求につきまして、〇月〇日と〇月〇日の2度、書面でお支払いをお願いいたしましたが、本日までにご入金もご連絡もいただいておりません。 つきましては、〇月〇日までに全額をお振り込みくださいますようお願いいたします。 同日までにご入金またはご連絡をいただけない場合は、【専門家と相談して決めた対応を書く】ことを検討せざるを得ません。 草々 記 ・請求書番号:〇〇(〇年〇月〇日付) ・ご請求金額:〇〇円(税込) ・お振込先:〇〇銀行 〇〇支店 普通 〇〇〇〇 (名義) 以上
例文3の【 】は、空けたままにしてあります。次に取る対応を書くかどうか、何と書くかは、弁護士などに相談してから決めてください。できないことや、するつもりのないことは書きません。宛名は、1回目は経理の担当者、2回目からは代表者あてにすると、社内で止まっていた場合に届きやすくなります。
出す前に確かめることと、出したあとに残す記録
督促状は、出す前の確認がいちばん大事です。自社の側に原因があったのに督促状を出すと、取引そのものを失います。次の5つを順に確かめてください。
| 順番 | 確かめること | 見る場所 |
|---|---|---|
| 1 | 請求書は、相手に届いているか | 送ったメールや郵送の控え |
| 2 | 請求書の金額・あて先・振込先に誤りはないか | 請求書の控えと、見積や契約の内容 |
| 3 | 入金は本当にないか。名義違いや別の口座に入っていないか | 通帳や入出金の明細 |
| 4 | 納品や作業に、相手が納得していない点はないか | 担当者へのひとこと確認、やり取りの記録 |
| 5 | これまでに、いつ、誰が、何で連絡したか | 催促の記録 |
出したあとは、記録を残します。残すのは「送った日」「送り方」「書いた期日」「相手の返事」の4つです。請求ごとに1行ずつ、1つの表にまとめておきます。
| 残すこと | 書き方の例 | 何に効くか |
|---|---|---|
| 送った日と送り方 | 10月7日 督促状(1回目)を郵送 | 何回目の連絡かが誰でも分かる |
| 書いた期日 | 10月17日まで | 次に確かめる日が決まる |
| 相手の返事 | 10月9日 経理の方から電話。10月15日に払うとのこと | 言った言わないを防ぐ |
| 次にやること | 10月16日に入金を確かめる。なければ代表に相談 | 担当が休んでも止まらない |
相手から「分けて払いたい」「少し待ってほしい」と相談されることもあります。応じるかどうかは経営者が決め、決めた内容は口約束にせず書面に残してください。書面の中身に迷うときは、専門家に相談するのが安全です。
AIに下書きさせるプロンプト3種と、任せないこと
督促状は、AI(Claude)に下書きを任せやすい書面です。言いにくさで手が止まる仕事ですが、AIは事実と期日だけを淡々と並べてくれます。メモを渡せば、8項目のそろった1枚になります。
プロンプト1|督促状を作る
あなたは中小企業で経理と請求を担当している者です。 以下のメモから、督促状を作ってください。 条件: ・「日付と宛名・差出人・表題・どの請求か・金額・もとの期日と新しい期日・振込先・行き違いのおわびと連絡先」の8項目を入れる ・今回は【1回目/2回目】の督促状として書く ・相手を責める言葉や、推測は書かない ・「法的手段」などの言葉は、メモに無ければ書かない ・メモに無いことは作らず、【要確認】と書いて空けておく <メモ> (ここに貼る。例:請求書番号、請求日、金額、もとの期日、新しい期日、これまでに連絡した日)
プロンプト2|経過の記録を1行にまとめる
以下は、ある請求についてのやり取りのメモです。 入金管理の表に貼れるように、1行ずつにまとめてください。 条件: ・「日付/誰が/何で連絡したか/相手の返事/次にやること」の順に並べる ・メモに書かれていないことは足さない ・日付があいまいなものは【要確認】とする <メモ> (電話の走り書きや、メールの要点を貼る。相手の口座番号や個人の連絡先は貼らない)
プロンプト3|出す前の確認の一覧を作る
これから、入金が遅れている取引先に督促状を出します。 出す前に社内で確かめることの一覧を作ってください。 条件: ・「請求書が届いているか」「金額と振込先に誤りがないか」「入金が本当にないか」「納品や作業に行き違いがないか」「これまでの連絡」の順に並べる ・それぞれに「誰が確かめるか」と「確かめた日」の欄を空けておく ・法律の判断が要りそうな点は「専門家に確認」と書く <状況> (請求の内容、期日を過ぎた日数、これまでの連絡の回数だけを貼る)
| AIに任せてよいこと | 人が決めること |
|---|---|
| 8項目の順に並べた督促状の下書きを作る | 督促状を出すか、もう少し待つか |
| 言葉の強さを、段階に合わせてそろえる | 新しい期日を何日にするか |
| やり取りのメモを、経過の記録にまとめる | 分割や期日の延長に応じるか |
| 出す前の確認の一覧を作る | 専門家に相談するか、次にどんな対応を取るか |
督促状の下書きには、取引先の名前や金額が入ります。AIに貼る前に、社内でどこまで入れてよいと決めているかを確かめてください。線引きはAIに入れていい情報・いけない情報で整理しています。メモから書面を作らせる指示の書き方はAIへの指示文の書き方でご紹介しています。書面に添えるメールの文面はビジネスメールをAIに任せる方法が参考になります。
次の1通を型で出し、経過を1か所に残す
この記事の例文をすべて使う必要はありません。まず、いま期日を過ぎている請求を1件選び、出す前の5つを確かめてみてください。そのうえで、8項目の型で1通を作ります。相手から「どの請求の件ですか」と聞き返されなければ、型が効いています。
督促状を出したら、次の3つを1つのフォルダにまとめて残してください。督促状の控え、もとの請求書、経過の記録です。次に入金が遅れたとき、担当者はそのフォルダを開いて名前と日付を変えるだけで同じ手順をくり返せます。「言いにくいので、経営者が自分で抱えてしまう仕事」こそ、会社の決まった手順として残しておく価値があります。
期日を過ぎたご請求のお願い文をAIに任せる流れはお支払いの催促文でご紹介しています。お客様ごとのやり取りを振り返れる形にする方法はお客様ごとの履歴をご覧ください。
入金の遅れは、「誰が、いつ、どこまで言うか」が決まっていないと、気づいた人の負担になります。督促状の型と、出す前後の手順をAIに渡せる形にしておくと、誰が担当でも同じように進められます。私たちが会社ごとに何をつくるかはAI導入支援とは|何をつくるのかにまとめています。
言いにくくて後回しになる入金の連絡を
30分で一緒に、誰でも出せる形にします。
まずは30分、話すだけで大丈夫です
資料も準備もいりません。
いまの仕事のことを、そのまま話してください。
合わなければ、そのまま終わって構いません。
無理におすすめすることはありません。
投稿者プロフィール

最新の投稿
社内の仕組みづくり2026年10月16日キャッチコピーの作り方|書く前に決める3つとつくる順番5ステップ、そのまま使える型7つ、業種別の例と書かないほうがよいこと、AI(Claude)に案を出させるプロンプト例【2026年版】
社内の仕組みづくり2026年10月15日感謝状の書き方|入れる5項目と並べる順番、そのまま使える例文6種、句読点・敬称・用紙の決まりと書かないほうがよいこと、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】
社内の仕組みづくり2026年10月14日注意喚起の文例|社内に角を立てずに伝える5項目と書く順番、そのまま使える例文6種、掲示・メール・朝礼の使い分けと書かないほうがよいこと、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】
社内の仕組みづくり2026年10月13日プレスリリースの書き方|出す前に決める3つと入れる7項目、そのまま使える例文4種、送り先の選び方と書かないほうがよいこと、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】







