プレスリリースの書き方|出す前に決める3つと入れる7項目、そのまま使える例文4種、送り先の選び方と書かないほうがよいこと、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】
新しい商品や店を始めるのに、知らせる手立てがチラシとSNSしかない。プレスリリースという言葉は聞くが、小さな会社が出してよいものか、何をどの順に書けばよいかが分からない。そんな会社の経営者と、広報を任された方に向けて、型と例文を書きました。
結論からお伝えします。プレスリリースは、会社の大きさに関係なく出せます。大事なことから先に書き、決まった7項目をA4一枚に並べます。載せるかどうかを決めるのは記者や編集者です。読む側が記事にしやすい形に整えるほど、目に留まりやすくなります。この記事では、入れる7項目と例文4種、送り先の選び方をまとめました。AI(Claude)にコピーして使えるプロンプトもご紹介します。
プレスリリースとは何か、広告やお知らせと何が違うか
プレスリリースは、会社の新しい動きを、新聞・テレビ・ウェブメディアなどの記者に知らせる文書です。「報道関係者向けのお知らせ」とも呼ばれます。お客様に直接読んでもらう広告やお知らせ文とは、読む相手と目的が違います。
| プレスリリース | 広告・チラシ | お知らせ文 | |
|---|---|---|---|
| 読む相手 | 記者・編集者 | お客様 | お客様・取引先 |
| 目的 | 記事や番組で取り上げてもらう材料を渡す | 買ってもらう・来てもらう | 決まったことを正しく伝える |
| 載るかどうか | 相手が決める。載らないことも多い | お金を払えば載る | 自社の場所に自分で出す |
| 書き方 | 事実を、第三者が読んでも分かる言葉で | 魅力を、買う人の言葉で | 日付や条件をもれなく |
| 費用 | 自分で送れば、かからない | 掲載料・印刷代 | ほぼかからない |
広告と違い、プレスリリースは載ることが約束されていません。そのかわり、記事になったときは第三者の目を通った情報として読まれます。地元の新聞や業界紙は、地域の会社の新しい動きを探しています。小さな会社の話でも、内容が合えば取り上げられます。
お客様に向けたお知らせの型は、お知らせ文・案内文をAIに任せる方法にまとめています。同じ出来事でも、記者向けとお客様向けでは文面を分けて用意します。
出す前に決める3つ(何を・誰に・いつ)
書き始める前に、次の3つを決めます。ここが決まっていないと、何枚書いても宣伝文になります。
| 決めること | 考え方 | 例 |
|---|---|---|
| 何を知らせるか | 1本につき1つの出来事にしぼる | 新商品の発売、新店の開店、催しの開催 |
| 誰に読んでもらうか | 記事を読む人を思い浮かべ、その人が読む媒体を選ぶ | 地元の方なら地元紙、同業なら業界紙 |
| いつ出すか | 出来事の1週間から2週間ほど前。催しは取材の予定が組める時期に | 発売日の10日前 |
「うちには知らせるほどのことがない」と感じる会社でも、材料は見つかります。次の表で、自社に当てはまるものを探してください。
| 出来事 | 記者が知りたいこと |
|---|---|
| 新しい商品・サービス | 何が新しいのか。なぜ今つくったのか |
| 開店・移転・改装 | 場所と日付。地域にとって何が変わるのか |
| 催し・体験会 | 誰が参加できるか。当日に取材できるか |
| 周年・節目 | 何年続いたか。続けてきた理由 |
| 地域との取り組み | 学校や団体と一緒に何をしたか |
| 調べた結果 | 自社で集計した数字。調べた時期と人数 |
| 受賞・認定 | どこから、何について認められたか |
記者が見ているのは、「新しさ」「地域や業界との関わり」「いま出す理由」の3つです。自社の思い入れではなく、読む人にとっての意味を1文で言えるかを先に確かめます。
入れる7項目と書く順番
プレスリリースは、大事なことから先に書きます。記者は1日に何通も受け取るため、題名と最初の段落だけで読むかどうかを決めます。次の7項目を、上から順に並べてください。
| 順番 | 項目 | 書き方 |
|---|---|---|
| ① | 日付と発信者 | 右上に出す日、会社名。「報道関係者各位」と書く |
| ② | 題名 | 30字前後。「誰が・何を・いつ」が分かる。飾りの言葉を入れない |
| ③ | リード文 | 最初の段落。いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように、を3文ほどで |
| ④ | 本文 | 背景、特長、数字。小見出しで区切り、1段落を短くする |
| ⑤ | 概要 | 名称、日付、場所、価格、申込方法などを箇条書きに |
| ⑥ | 会社概要 | 会社名、所在地、代表者、設立、事業内容、ホームページ |
| ⑦ | 問い合わせ先 | 担当者の名前、電話、メール。つながる時間帯も書く |
量はA4で1枚、多くても2枚に収めます。写真は1枚から3枚を付けます。商品なら全体が写ったもの、店なら外観と中の様子が分かるものを選びます。写真があると、記事にしたときの形を相手が思い描けます。
題名は、いちばん時間をかける場所です。次の表のように、形容する言葉を事実に置き換えます。
| 直す前 | 直した後 | 直した点 |
|---|---|---|
| こだわりの新商品が登場 | 〇〇市の豆腐店が、地元産大豆だけを使った厚揚げを11月1日に発売 | 誰が・何を・いつを入れた |
| 大好評のイベントを今年も開催 | 親子で学ぶ木工教室を12月7日に開催。昨年は40組が参加 | 評価の言葉を数字に替えた |
| 新店舗オープンのお知らせ | 〇〇駅前に2号店を10月25日に開店。夜8時まで営業 | 場所と日付、変わる点を入れた |
そのまま使える例文4種
場面ごとの例文を4つ並べます。〇〇の部分を置き換えて使ってください。会社概要と問い合わせ先は、例文1の形を毎回そのまま付けます。
例文1|新商品の発売(もっとも基本の形)
報道関係者各位 〇年〇月〇日 〇〇株式会社 〇〇市の〇〇店が、地元産〇〇だけを使った「〇〇」を〇月〇日に発売 〇〇株式会社(所在地:〇〇県〇〇市、代表:〇〇 〇〇)は、〇〇市内の農家3軒から仕入れた〇〇だけを使った新商品「〇〇」を、〇月〇日(〇)から店頭とオンラインショップで発売します。価格は1個〇〇円(税込)です。 ■つくった背景 当店には「地元のものを贈り物にしたい」という声が、この1年で〇件寄せられました。そこで、〇〇市内の農家と半年かけて試作を重ねました。 ■商品の特長 ・〇〇市産の〇〇を100%使用 ・1日〇個までの手づくり ・常温で〇日間保存できる ■商品概要 商品名:〇〇 発売日:〇年〇月〇日(〇) 価格:〇〇円(税込) 販売場所:〇〇店 店頭、オンラインショップ(URL) ■会社概要 会社名:〇〇株式会社 所在地:〇〇県〇〇市〇〇 代表者:〇〇 〇〇 設立:〇年〇月 事業内容:〇〇の製造・販売 URL:https://〇〇 ■本件に関するお問い合わせ先 〇〇株式会社 担当:〇〇 電話:〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇(平日9時から17時) メール:〇〇@〇〇
例文2|開店・移転
報道関係者各位 〇年〇月〇日 〇〇株式会社 〇〇駅前に「〇〇 2号店」を〇月〇日に開店。夜8時まで営業し、仕事帰りにも立ち寄れる店に 〇〇株式会社(所在地:〇〇県〇〇市、代表:〇〇 〇〇)は、〇月〇日(〇)、〇〇駅東口から歩いて2分の場所に「〇〇 2号店」を開店します。1号店より営業時間を2時間のばし、夜8時まで営業します。 ■出店の背景 1号店では、「夕方6時の閉店に間に合わない」という声を多くいただいていました。駅の近くで夜まで開ける店をつくり、仕事帰りの方にも使っていただけるようにします。 ■店舗概要 店名:〇〇 2号店 開店日:〇年〇月〇日(〇) 所在地:〇〇県〇〇市〇〇 営業時間:10時から20時(〇曜定休) 席数:〇席 ■取材について 開店の前日、〇月〇日(〇)14時から16時に、店内をご覧いただけます。ご希望の方は下記までご連絡ください。 (以下、会社概要・お問い合わせ先)
例文3|催し・体験会の開催
報道関係者各位 〇年〇月〇日 〇〇工務店 親子で学ぶ木工教室を〇月〇日に開催。端材でいすをつくり、持ち帰れます 〇〇工務店(所在地:〇〇県〇〇市、代表:〇〇 〇〇)は、〇月〇日(〇)、小学生と保護者を対象にした木工教室を当社の作業場で開きます。住宅の工事で出た端材を使い、大工が教えながら小さないすをつくります。参加は無料です。 ■開催の背景 工事で出る端材は、これまで処分していました。地域の子どもたちに木にふれてもらう機会にできないかと考え、昨年から始めました。昨年は40組が参加しました。 ■開催概要 日時:〇年〇月〇日(〇)10時から12時 場所:〇〇工務店 作業場(〇〇市〇〇) 対象:小学生と保護者 先着20組 参加費:無料 申込:電話またはホームページの申込フォーム(〇月〇日まで) ■取材について 当日は取材していただけます。参加者の撮影は、保護者の同意を得た方に限らせていただきます。 (以下、会社概要・お問い合わせ先)
例文4|周年・節目
報道関係者各位 〇年〇月〇日 〇〇株式会社 創業50年の〇〇店が、感謝の気持ちを込めて〇月〇日から記念の催しを開催 〇〇株式会社(所在地:〇〇県〇〇市、代表:〇〇 〇〇)は、〇年〇月に創業50年を迎えます。これを記念し、〇月〇日(〇)から〇日(〇)まで、創業当時の商品を当時のつくり方で再現して販売します。 ■50年のあゆみ 〇年、初代の〇〇が〇〇市〇〇で開業しました。現在は3代目が継ぎ、従業員〇人で営業しています。 ■記念の催しの概要 期間:〇年〇月〇日(〇)から〇日(〇) 内容:創業当時の「〇〇」を1日〇個限定で販売。店内に当時の写真を展示 場所:〇〇店 (以下、会社概要・お問い合わせ先)
どの例文も、最初の段落だけを読めば全体が分かるようにしてあります。記者が記事にするときは、この段落をもとに書き始めます。式典や内覧会に記者を招くときの文面は、招待状の書き方の型が使えます。
送り先の選び方と送り方、送ったあとの備え
書き上げたら、送り先を決めます。数を増やすより、内容に合う相手を選ぶほうが読まれます。
| 送り先 | 向いている内容 | 送り方 |
|---|---|---|
| 地元の新聞・地域の情報紙 | 開店、催し、地域との取り組み | 支局や編集部の窓口へメール、FAX、郵送 |
| 業界紙・専門誌 | 新商品、新しい技術、業界向けのサービス | 編集部の窓口へメール |
| 地元のテレビ・ラジオ | 動きのある催し、季節の話題 | 番組や報道の窓口へ。日時を目立つ場所に書く |
| 役所などの記者クラブ | 地域に関わりの大きい話題 | 決まりがクラブごとに違う。先に窓口へ確かめる |
| 配信サービス | 全国に向けた商品やサービス | 各社のサイトから申し込む。料金と条件は各社の案内で確かめる |
| 自社のホームページ | すべて | 同じ内容を「お知らせ」に載せ、あとから誰でも読めるようにする |
窓口が分からないときは、媒体のホームページにある「情報提供」「プレスリリース受付」の案内を探します。見つからなければ、代表の電話で送り先をたずねてかまいません。
メールで送るときは、次の点をそろえます。
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| 件名 | 「【プレスリリース】」に続けて題名をそのまま書く |
| 本文 | 挨拶は2行まで。リード文を貼り、全文は下に続ける |
| 添付 | リリースのPDFと写真。容量が大きいときは置き場所のURLを書く |
| 宛先 | 1社ずつ送る。まとめて送るときは、ほかの宛先が見えない形にする |
送ったあとは、問い合わせにすぐ答えられるようにしておきます。記者からの電話は、送った当日か翌日に来ることが多いためです。担当者が席を外すときは、誰が代わりに受けるかを決めておきます。聞かれやすいのは、数字の根拠、写真の追加、取材できる日時の3つです。
返事がなくても、同じ内容を何度も送ったり、載せるよう求めたりはしません。載らなかったときは、題名と最初の段落を見直して次の機会に生かします。
書かないほうがよいことと、出す前の点検
プレスリリースは、会社の名前で外に出る文書です。書いたことは、そのまま記事になる前提で確かめます。
| 書かないほうがよいこと | 理由と直し方 |
|---|---|
| 「日本一」「業界初」「唯一」 | 根拠を示せなければ書かない。書くなら、いつ・誰が・どう調べたかを添える |
| 「大人気」「話題の」「画期的な」 | 評価は読む側が決める。件数や期間などの数字に替える |
| 効果や効能を言い切る表現 | 商品の種類によっては表示の決まりがある。迷うときは専門家や役所の窓口に確かめる |
| ほかの会社や商品との比べ方 | 相手を下げる書き方をしない。自社の事実だけを書く |
| お客様や取引先の名前・写真 | 本人や相手の会社の了解を取ってから載せる |
| 決まっていない予定 | 「検討中」のことは書かない。決まった日付と内容だけにする |
| 専門の言葉・社内の呼び名 | 業界の外の人が読んでも分かる言葉に直す |
表示や広告の決まりは、扱う商品や業種で変わります。この記事では結論を書きません。自社の商品が当てはまりそうなときは、出す前に専門家へ確かめてください。
出す前に、次の点を声に出して確かめます。
| 点検すること | 見るところ |
|---|---|
| 日付と曜日 | カレンダーと合っているか |
| 金額 | 税込か税抜か。桁は合っているか |
| 固有名詞 | 会社名、商品名、人の名前、地名の字 |
| 電話とメール | 実際にかけて、送って、つながるか |
| URL | 開けるか。公開の前のページになっていないか |
| 数字の根拠 | 聞かれたときに見せられる資料があるか |
| 写真 | 写っている人の了解があるか。他社の商品や看板が大きく写っていないか |
AIに下書きさせるプロンプト3種と、任せないこと
プレスリリースは項目と順番が決まっているので、AI(Claude)に下書きさせやすい文書です。ただし、AIは事実を知りません。日付、金額、数字はこちらから渡し、渡していないことを足させないようにします。
プロンプト1|メモからプレスリリースの下書きを作る
あなたは中小企業の広報を手伝っています。 下のメモをもとに、報道関係者向けのプレスリリースを作ってください。 条件: ・日付と発信者、題名、リード文、本文、概要、会社概要、 問い合わせ先、の7項目をこの順で入れる ・題名は30字前後。「誰が・何を・いつ」が分かるようにする ・リード文は3文以内で、最初の段落だけ読めば全体が分かるようにする ・「日本一」「大人気」「画期的」など、評価する言葉は使わない ・メモに書いていない数字や事実を足さない。 足りない項目は「(要確認)」と書く ・A4一枚に収まる量にする ・です・ます調 <メモ> ・出来事:(例:新商品の発売) ・いつ:(例:11月1日) ・何を:(例:地元産の大豆だけを使った厚揚げ。1個300円) ・なぜ:(例:贈り物にしたいという声が1年で30件あった) ・会社のこと:(例:創業35年、従業員6人の豆腐店)
プロンプト2|題名を5案出して、選ぶ材料をもらう
下のプレスリリースの題名を5案作ってください。 条件: ・1案は30字前後 ・「誰が・何を・いつ」を入れる ・形容する言葉を使わず、数字か固有の事実を1つ入れる ・地元の新聞の記者が読むことを想定する ・それぞれの案に、どこを前に出したかを1行で添える <プレスリリースの本文> (ここに下書きを貼る)
プロンプト3|出す前の点検をしてもらう
下のプレスリリースを、記者の立場で読んで点検してください。 見てほしいこと: ・最初の段落だけで「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ」が分かるか ・根拠のない「一番」「初」や、評価する言葉が残っていないか ・業界の外の人に伝わらない言葉がないか ・日付、曜日、金額の書き方がそろっているか ・記者が電話で聞きそうな質問を5つ 直した文は書かず、気になる所と理由だけを表にしてください。 <プレスリリース> (ここに下書きを貼る)
| AIに任せてよいこと | 人が決めること |
|---|---|
| 7項目をそろえた下書きを作る | 何を知らせるか、いつ出すか |
| 題名の案をいくつも出す | どの題名で出すか |
| 評価の言葉や専門の言葉を見つける | 数字と事実が正しいかの確かめ |
| 記者が聞きそうな質問を挙げる | 問い合わせに誰がどう答えるか |
発表の前の情報は、会社にとって外に出ていない情報です。取引先の名前や、決まっていない金額は、AIに入れる前に〇〇に置き換えます。線引きは会社でAIに入れていい情報・ダメな情報で先に確かめてください。条件を並べて渡す指示の書き方はAIプロンプトの書き方にまとめています。同じ出来事をSNSやブログで知らせる文面は、SNS投稿・ブログの下書きをAIに任せる方法の型で作れます。
1本目を出したら、型として残す
プレスリリースは、1本目にいちばん時間がかかります。会社概要、問い合わせ先、送り先の一覧は、2本目からそのまま使えます。出し終えたら、次の3つを1つのフォルダに残してください。出したリリースの全文、送り先の一覧(窓口と送った日つき)、聞かれた質問と答えです。
この3つがあれば、次の新商品や催しのときは、出来事のメモを書くだけで準備が進みます。経営者が1人で抱えていた「どこに、どう知らせるか」が、会社の手順として残ります。ホームページのお知らせに載せる文面の流れはお知らせ・ブログの下書きでご紹介しています。SNSで知らせる文面の流れはSNS投稿の文面にまとめました。
知らせる仕事は、新しいことを始めるたびに経営者に戻ってきます。型と送り先をAIに渡せる形にしておくと、つくることに時間を使えます。私たちが会社ごとに何をつくるかはAI導入支援とは|何をつくるのかにまとめています。
新しいことを始めるたびに止まる「知らせる仕事」を
30分で一緒に、会社の型にします。
まずは30分、話すだけで大丈夫です
資料も準備もいりません。
いまの仕事のことを、そのまま話してください。
合わなければ、そのまま終わって構いません。
無理におすすめすることはありません。
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