備品管理表の作り方|どこにあるか分かる7項目と業種別の型3種、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】

「あのドリル、どこいった」と探すところから仕事が始まる。買ったはずのモニターが見つからず、結局もう1台買ってしまう。従業員が10〜50名ほどの会社で、備品の置き場所も持ち出しの決まりも定めないまま来てしまった。その状況に向けて書いています。

結論からお伝えします。備品が行方不明になるのは、片づけが下手だからではありません。いま誰が持っているかを書く欄がないからです。棚に戻っていない物は、無くしたのか誰かが使っているのか、表を見ても区別が付きません。先に決めるのは定位置と持ち出しの書き方で、管理システムの種類ではありません。項目は7個で足ります。バラバラの購入履歴を表の行に直すところは、AIに任せられます。この記事では、7項目の一覧と業種別の型3種、コピーして使えるプロンプトをご紹介します。

備品が行方不明になる3つの原因

物を無くす会社に、だらしない人はほとんどいません。決めていないことが3つあって、そこで持ち物の行き先が切れます。

消える原因現場で起きること先に決めておくこと
戻す場所が決まっていない空いている棚に置かれる。次に使う人が探し、見つからないので買い足す1品ごとに定位置を決めて、棚側に名前を貼る
持ち出しを書く欄がない無くなったのか誰かが使っているのか分からず、社内を1周聞いて回る持ち出した本人が、名前と戻す予定日を1か所に書く
見に行く日が決まっていない必要になった日に初めて気づくので、いつから無いのか追えない月に1回、日にちを決めて戻っているかを見る

いちばん多いのは2つめです。備品の一覧はあるのに、いま誰が持っているかを書く欄がない。この状態だと、表を見ても分かるのは「うちに1台ある」ことだけで、探す手間は1ミリも減りません。

置き場所は表計算ソフト1枚で足ります。資産管理の専用システムを選ぶ話は、表が3か月続いてから考えれば間に合います。続かなかった表をそのままシステムに移すと、入力が止まる場所も一緒に移ります。まず紙かシート1枚で、書く欄と書く人を決めてください。

どの業務に何の道具がぶら下がっているかが見えていないときは、備品より先に仕事のほうを並べたほうが早いことがあります。並べ方は業務の棚卸しのやり方にまとめています。

備品管理表に入れる項目は7個でいい

項目を増やすほど、埋まらない欄が増えます。次の7個で、探す時間はほぼ消えます。

項目書き方なぜ要るか
①管理番号PC-01、KOU-12 のように種類+連番。現物にシールを貼る同じ型の物が2台あるとき、話が食い違わない
②品名・型番・数量社内での呼び名と、箱に書いてある型番を並べて書く買い足すとき、同じ物を探せる
③定位置「2階倉庫 棚B 3段目」まで書く。部屋名だけで止めない戻す場所が1つに決まると、片づけで迷わない
④持ち出し中(誰が・いつ戻す)持ち出した本人が名前と戻す予定日を書く。戻したら消す無くしたのか使用中なのかが、聞かなくても分かる
⑤取得日・取得額買った日と、税抜きの金額。領収書の保管場所も添える買い替えの相談と、経理の確認が同じ表で済む
⑥次の期限点検・校正・保証・リース満了など、次に来る日付を1つ期限切れの道具を現場に持って行かずに済む
⑦持ち出していい人「全員」「有資格者のみ」「要事前連絡」の3段階で足りるその都度、誰かに確認を取る時間が消える

この7個の芯は④です。①②③⑤は購入履歴と棚を見れば後からでも作れます。④だけは、その日その場で書かないと誰にも分かりません。備品を探している時間の大半は、物が無いからではなく、誰が持っているかを聞いて回っているからです。

④の欄は、表の右端ではなく品名のすぐ隣に置いてください。右端に置くと、横スクロールの向こう側になって書かれなくなります。スマートフォンで開く人がいるなら、なおさら左に寄せたほうが続きます。

⑥の期限を入れておくと、点検の記録と同じ流れでつながります。点検側の書き方は点検表の作り方にまとめています。消耗品のように減っていく物は備品ではなく在庫として数えたほうが早く、その形は在庫管理表の作り方でご説明しています。

そのまま使える型3種(業種別)

7項目は同じで、書く中身だけが業種で変わります。近いものを選んで、社名と品名を入れ替えてお使いください。

型1:事務所(PC・什器・鍵)

番号品名・型番定位置持ち出し中次の期限
PC-03貸出ノートPC/型番○○事務所 書庫下段佐藤/9月12日戻し保証 2027年3月
KEY-01倉庫の鍵(予備)受付 鍵ボックス(空欄)

事務所で効くのは鍵と貸出PCです。この2つだけでも欄を作ると、朝の「鍵どこ」が消えます。プロジェクターやモバイルルーターのように、持ち出して戻ってこない物も同じ欄で足ります。

型2:建設・工事(工具・測定器・車載品)

番号品名・型番定位置持ち出し中持ち出していい人
KOU-12レーザー墨出し器/型番○○資材倉庫 棚A 2段目田中/現場B・9月10日戻し要事前連絡
SHA-022号車 積載工具一式2号車 荷台(車に常備)全員

工事の会社では、備品の定位置が車になっている物があります。その場合は定位置の欄に車両名を書いてください。倉庫に無いことが正常な物と、無くなっている物が、同じ表の中で見分けられます。

型3:クリニック・店舗(機器・什器)

番号品名・型番定位置次の期限連絡先
KIK-04診療用機器/型番○○処置室2保守点検 11月販売店A 担当○○
TEN-07待合の空気清浄機待合室 入口横フィルター交換 12月

クリニックや店舗では、持ち出しより期限のほうが効きます。保守点検とフィルター交換の日付が表に入っているだけで、業者からの連絡待ちが減ります。連絡先の欄を足しておくと、担当者が休みの日でも電話がかけられます。

表が続くようにする4ステップ

ステップやること目安
1. 持ち出す物だけ並べる建物から出る物、貸し借りする物だけを書き出す。動かない机は後回し30分
2. 番号と定位置を決める現物にシールを貼り、棚側にも同じ名前を貼る1時間
3. 持ち出し欄を1か所にする紙かシートを1つに決めて、書く人を「持ち出した本人」に固定する10分
4. 見る日を決める月に1回、戻り予定を過ぎた行だけを見る。全品を数え直さない15分

4で全品を数え直すと決めた会社は、ほぼ2か月で止まります。見るのは戻り予定を過ぎた行だけで足ります。数行しか残らないので、朝礼の前に終わります。

3の「書く人を本人に固定する」も外せません。事務の人がまとめて代筆する形にすると、聞き取りの手間が増えて先に事務が音を上げます。本人が書く代わりに、書く欄は1行で終わる短さにしてください。

AIに下書きさせるプロンプト3種

ここからはAIの出番です。7項目の枠さえ決まっていれば、埋める作業はほとんど任せられます。そのままコピーしてお使いください。

プロンプト1:購入履歴から表の初版を作る

以下は、過去2年分の備品の購入記録です。
・管理番号/品名・型番/定位置/持ち出し中/取得日・取得額/次の期限/持ち出していい人 の7列の表に整えてください
・管理番号は種類ごとの連番で、あなたが割り振ってください
・記録に無い欄は空欄のままにし、推測で埋めないでください
・同じ物が複数行あると思われるものは、表の下に別枠で挙げてください
(ここに購入記録を貼る)

プロンプト2:呼び名のゆれを寄せる

以下は、社内で使われている備品の呼び名の一覧です。
・同じ物を指していそうな呼び名をまとめて、代表の呼び名の候補を1つ挙げてください
・まとめた根拠を1行で添えてください
・自信がないものは「要確認」と書いて、こちらに判断を残してください
(ここに呼び名の一覧を貼る)

プロンプト3:戻っていない備品の確認リストを作る

以下は、備品管理表の持ち出し欄です。今日は9月10日です。
・戻す予定日を過ぎている行だけを、遅れの長い順に挙げてください
・行ごとに、本人へ送る確認の一文を添えてください
・催促の調子ではなく、返却か延長かを選んでもらう書き方にしてください
(ここに持ち出し欄を貼る)

この3本を通すと、散らばった購入記録から表の初版までが1時間ほどで形になります。表計算ソフトの中身をAIに読ませて突き合わせる手順はExcelやCSVをAIに読ませて集計する方法にまとめています。

思ったとおりに動かないときは、指示の書き方を先に見直すと早く進みます。書き方の型はAIへの指示(プロンプト)の書き方でご説明しています。

AIに任せてはいけないこと

AIが得意なのは形をそろえることで、その物が今どこにあるかを知ることではありません。現物を見ていない答えは、もっともらしい置き場所として出てきます。

任せてよい人が決める
購入記録を7項目に仕分ける現物が実際にどこにあるか
呼び名のゆれを候補として並べる同じ物として1行にしてよいか
戻り予定を過ぎた行を洗い出す紛失として扱うかどうか
確認の文面を下書きする誰に、どこまで踏み込んで聞くか

いちばん危ないのは、定位置の欄をAIに埋めさせることです。「工具は資材倉庫にあるのが自然」といった書き方で返ってきた行は、実際に見て書いた行と見分けが付きません。探しに行って無いことが2回続くと、表そのものが信用されなくなります。空欄は空欄のまま残して、現場で埋めてください。

取引先名や購入単価をそのまま貼るかどうかは、社内で先に決めておく話です。判断の目安は会社でAIに入れていい情報・ダメな情報にまとめています。「販売店A」「金額は伏せる」に置き換えれば、表を設計する用途には足ります。

取得額をいくらから資産として計上するか、少額のものをどう処理するかは、税務の判断が入る話です。
この記事の7項目は、経理上の固定資産台帳に置き換わるものではありません。
金額の大きい備品やリース物件を扱う場合は、顧問の税理士にご確認ください。
また、測定器の校正や機器の法定点検が決められている品目については、所管の窓口の案内と販売店の指示をご確認ください。

まず持ち出す30点から始めてください

会社にある物を全部そろえると決めると、着手そのものが止まります。建物から出ていく物を30点だけ選んで、7項目を埋めてください。30分あれば形になります。

30点でも、たいてい何か見つかります。同じ物が2台あると思っていたら1台しか無い。誰も使っていない機器の保守費を払い続けている。鍵の予備が何本あるか誰も知らない。抜けている場所は、話しているときには見えず、表にした瞬間に見えます。

30点が1か月回ったら、同じ形で残りに広げてください。1枚めができると、次からは同じ欄に当てはめるだけで済みます。最初に全品をそろえた完全な台帳を作ろうとすると、完成しないまま終わります。

ベテランの頭の中にある「あれはあそこ」を、会社の側に残る形にしていく流れはAI導入で何をつくるのかでご説明しています。

院長1名とスタッフ6名の歯科医院様の事例は仙台市の歯科医院様の事例(CASE 03)でご紹介しています。話すほどに、本当の困りごとが別のところにあったと分かった例です。備品を30点並べたときに出てくるのも、たいてい探し物とは別の話です。先に見ておくと、表を作ったあとの相談がしやすくなります。

「あれ、誰が持ってるんだっけ」
探す時間をなくす1枚を、30分で一緒に作れます。

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