従業員名簿の作り方|法定の項目と実務で足す3欄、規模別の型3種とAI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】

入社時の書類は履歴書のコピー、給与の情報は給与ソフトの中、緊急連絡先は店長の手元のノート。人の情報が置き場ごとに散らばったままの会社に向けて書いています。従業員が数名から数十名へ増えてきた段階で、どこの会社でも一度は必ず出てくる詰まりです。

結論からお伝えします。従業員名簿が続かないのは、履歴書や給与ソフトで代用していて、1行1人の一覧として持っていないからです。書く項目は法令で決まっている分と、実務で足す3欄の組み合わせで足ります。散らばった情報を1行1人の形に組み替えるところは、AI(Claude)に任せられます。この記事では、入れる項目と規模別の型3種、コピーして使えるプロンプトをご紹介します。

従業員名簿でつまずく3つのパターン

名簿が古いまま止まっている会社で、担当者が怠けている例はほとんど見かけません。持ち方のほうに、決まった型のつまずきが3つあります。

つまずき会社で起きること直し方
履歴書のコピーで代用している入社した日で情報が止まる。異動も退職も反映されず、封筒を1枚ずつ開けないと全体が分からない書類の保管とは別に、1行1人の一覧を1枚持つ。書類はその一覧から探す索引として使う
給与ソフトの中だけにある開ける人が1人に限られる。ソフトを乗り換えるときに、何が入っていたか誰も説明できない表計算に書き出した控えを持つ。ソフトが正、控えは読む用と決めておくと二重管理になりにくい
辞めた人の行を消している問い合わせや手続きで過去の在籍を聞かれたときに出てこない。前任者の記憶だけが頼りになる行は消さず、在籍と退職を1列で分ける。並べ替えれば在籍者だけの一覧はいつでも作れる

3つに共通しているのは、名簿が「入社したときの記録の置き場」になっていて、いまの状態を映す一覧になっていない点です。入社の記録は書類が持っています。名簿のほうは、今日の時点で誰がどこに何人いるかが1画面で読める形にすると効きます。

そもそも誰がどの仕事を持っているかが並んでいない段階なら、名簿より先に担当の整理からです。やり方は業務分掌の決め方にまとめています。

名簿に入れる項目(決まっている分と足す分)

従業員名簿は、労働基準法で作成が求められている「労働者名簿」にあたります。入れる項目は自由に決めるものではなく、厚生労働省の様式に並んでいる項目が土台です。まずその土台を埋め、そのうえで自社の実務に要る欄を足す順番で作ると迷いません。

土台の項目埋めるときの注意
氏名戸籍の表記と通称が違う人がいる。給与や社会保険の書類と同じ表記でそろえる
生年月日和暦と西暦が混ざりやすい。西暦に統一しておくと並べ替えで崩れない
性別様式にある欄。社内の名札や座席表へ機械的に転記しない
住所引っ越しで最も古くなる欄。更新のきっかけを決めておく(4章)
履歴社内の異動・昇格を時系列で1行ずつ。前職の経歴のことではない
従事する業務の種類「販売」「経理」ほどの粒度で足りる。事業場の人数によって扱いが変わる欄なので、自社が書く必要があるかは確認する
雇入れの年月日パートから正社員になった人は、最初に雇い入れた日で書く
退職の年月日とその事由事由の書き方は後の手続きに影響する。文言に迷ったら社会保険労務士に確認する
死亡の年月日とその原因様式にある欄。普段は空欄のままで問題ない

この一覧は、様式に並んでいる項目を実務の言葉で並べ直したものです。最新の様式そのものと、自社の事業場がどの項目まで書く必要があるかは、厚生労働省の案内か社会保険労務士で確認してください。保存の期間も法令で決まっていますが、年数については改正と経過措置があるため、この記事では年数を断定しません。ここでも確認先は同じです。

土台の上に、実務で足すと効く欄が3つあります。

足す欄これがあると助かる場面
雇用区分(正社員・契約・パート・アルバイト)人数を数えるとき、区分ごとの内訳がその場で出る。手続きの案内を配る相手を絞るときにも使う
所属・勤務地店舗や現場が分かれている会社で、拠点ごとの一覧をその場で切り出せる
緊急連絡先急な体調不良や災害のときに探し回らずに済む。本人の同意を得たうえで、閲覧できる人を絞って持つ

マイナンバーはこの名簿に入れないでください。様式の項目にも入っていません。番号は別の台帳で、扱える人と置き場を決めて管理する形が原則です。自社の管理方法が足りているかどうかは、社会保険労務士に見てもらう範囲の話になります。

そのまま使える型3種(規模別)

同じ項目でも、並べ方は会社の形で変わります。近いものを選んで、そのまま列の順番として使ってください。

向いている会社列の並べ方
型A|1シート型10名未満・1拠点状態(在籍/退職)/氏名/雇用区分/雇入れ日/退職日/生年月日/住所/業務の種類/履歴。先頭の状態列で並べ替えれば在籍者だけになる
型B|拠点別型10〜50名・複数拠点型Aの先頭に所属・勤務地を足す。拠点ごとに絞って印刷できる形にしておくと、店長や現場責任者へ渡せる
型C|入替が多い型パート・アルバイトの出入りが多い雇用区分と雇入れ日・退職日を左端へ寄せる。1年の入退社が横に読めるので、採用の計画を立てるときの材料になる

3種のどれでも、いちばん左に置くのは状態か所属です。氏名を左端に置くと、探すときは楽でも、切り出すときに毎回並べ替えが要ります。名簿を開く用事のほとんどは「この条件の人を出す」なので、絞る列を左に寄せておくほうが手数が減ります。

作って回すまでの4ステップ

手順やること目安
1|在籍者を1行1人で書き出すまず氏名と所属だけでよい。退職者は後回しにする20名で20分
2|空欄を洗い出す土台の項目に対して、いま出せない欄に「未記入」と入れる。埋めるのは次でよい10分
3|更新のきっかけを決める入社・退職・異動・住所変更の4つ。この4つが起きた日に直すと決めるだけで古くならないその場で決まる
4|持つ人と置き場を決める直す人を1人、代われる人を1人。開ける範囲を絞ったうえで、その2人が同じ場所を見るその場で決まる

3が抜けると、どんなにきれいな名簿でも半年で古くなります。年に1回まとめて直す決め方は、たいてい守られません。人が動いた日に1行だけ直すほうが、結果として続きます。

AIに下書きさせるプロンプト3種

散らばった情報を表の形に組み替える作業と、空欄や矛盾を探す作業はAIが速いです。3つとも、そのままコピーして使えます。

プロンプト1:バラバラのメモを1行1人の表にする

以下は、社員の情報がバラバラに書かれたメモです。1行1人の表に組み替えてください。

列の順番:状態(在籍/退職)/所属/雇用区分/雇入れ日/退職日/業務の種類

【条件】
・書いていないことは推測せず、空欄に「未記入」と入れる
・日付は西暦のYYYY-MM-DD にそろえる
・同じ人が複数のメモに出てくる場合は1行にまとめ、食い違う箇所は「要確認」と書く
・氏名は貼ったとおりに扱い、読みや漢字を勝手に直さない

【メモ】
(ここに貼る)

プロンプト2:空欄と食い違いを洗い出す

以下は、従業員名簿の表です。次の3点だけを挙げてください。

1. 空欄または「未記入」が残っている行と、その列名
2. 日付の前後が合わない行(退職日が雇入れ日より前など)
3. 同じ人が二重に入っている可能性のある行の組み合わせ

【条件】
・断定せず「〜の可能性がある」と書く
・行番号と列名だけで指し、人物の評価は書かない
・直し方の提案は不要。指摘だけ出す

【表】
(ここに貼る)

プロンプト3:更新のきっかけを社内向けの文にする

従業員名簿を、入社・退職・異動・住所変更の4つが起きた日に直す運用にします。
現場へ配る案内文を3案ください。

【条件】
・A4で半ページに収まる長さ
・誰が・いつ・どこへ連絡するかが読み取れる形にする
・罰則めいた言い回しは使わない
・3案とも1行で違いが分かるよう、冒頭に案の特徴を1行つける

プロンプト2で「人物の評価は書かない」と縛っているのには理由があります。空欄の一覧は、書き方ひとつで「手続きをさぼった人の一覧」に見えてしまいます。行番号と列名で指す形にしておくと、話が人ではなく欄に向きます。

思ったものが出てこないときは、条件を足すより先に渡した情報が足りているかを見てください。勘どころはAIへの指示(プロンプト)の書き方にまとめています。表そのものを読ませて集計や突き合わせをさせる手順はExcelやCSVをAIに読ませて分析する方法が参考になります。

AIに任せてはいけないこと

任せてよいこと人が決めること
メモを1行1人の表に組み替える退職の事由をどう書くか
空欄・日付の矛盾・二重登録を拾い出す自社がどの項目まで書く必要があるか
列の並べ方や見出しの言い回しをそろえる誰に名簿を開かせるか
案内文の下書きを3案出す保存の期間をどう扱うか

いちばん気をつけたいのは、氏名や住所が入ったままの名簿をそのまま貼ることです。従業員名簿は、社内の書類のなかでも個人情報の密度が高いものです。表の形を整えたいだけなら、氏名を「社員A」、住所を「宮城県内」に置き換えれば用は足ります。判断の目安は会社でAIに入れていい情報・ダメな情報にまとめています。置き換えの手間は1回で、置き場の心配は毎回なくなります。

もう1つ、法令に合っているかどうかの判定をAIにさせないでください。この記事で扱っているのは、名簿を1枚の表として作って続ける段取りまでです。自社が何をどこまで備える必要があるか、退職の事由をどう書くか。この種の話は社会保険労務士や労働基準監督署に確認する範囲になります。作る作業と、合っているかの確認は、別の人が担当する仕事だと考えてください。

まず在籍者だけで1枚つくってください

過去に在籍した人まで漏れなくそろえてから始めると決めると、着手そのものが止まります。いま在籍している人だけを1行1人で書き出して、状態・所属・雇用区分の3列を埋めてください。20名なら20分ほどで形になります。

20名でも、たいてい何か見つかります。雇入れ日が分かる人と分からない人が半々だった。同じ人が旧姓と現姓で二重に数えられていた。所属を書こうとして、去年の異動が誰にも伝わっていなかったことに気づいた。抜けは、頭で数えているときには見えず、表にした瞬間に見えます。

在籍者の1枚ができたら、退職した人を同じ列の形で下に足してください。列が決まっていると、2枚めからは欄を埋めるだけで済みます。最初から完全な様式を作ろうとすると、完成しないまま終わります。

拠点が分かれていると、人の情報は現場ごとに持たれたままになりがちです。東北エリアで複数店舗を展開する小売業様の事例があります。本部で決めた形を各店舗へ配って終わりにせず、店舗の担当者が自分で直せる形にしたことで、情報が本部へ戻ってくるようになりました。進め方は小売業様の事例(CASE 02)をご覧ください。

名簿づくり以外にどの業務から手をつけるか迷う場合は、業務別 AI 活用シーンに営業・事務・経営の3場面で並べています。

こうして人の頭のなかや机の上にあった情報を、会社の側に残る形にしていく流れはAI導入で何をつくるのかでご説明しています。

「この情報、どこにあるんだっけ」で
止まっている場所を30分で一緒に数えます。

まずは30分、話すだけで大丈夫です

資料も準備もいりません。
いまの仕事のことを、そのまま話してください。
合わなければ、そのまま終わって構いません。
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