在庫管理表の作り方|数が合う表にする8項目と業種別の型3種、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】

倉庫の棚に何がいくつあるかは、ベテランに聞かないと分からない。数え直すたびに帳簿の数と合わない。従業員が10〜50名ほどの会社で、在庫管理表を作ろうと決めたものの、並べる項目も単位も決まらないまま止まっている。その状況に向けて書いています。

結論からお伝えします。在庫の数が合わないのは、数え方が雑だからではありません。動いた記録を残す場所が決まっていないからです。棚を何度数え直しても、出し入れを書く場所がなければ翌週にはまたずれます。先に決めるのは記入する場所と単位で、道具の種類ではありません。項目は8個で足ります。バラバラの記録を表の行に直すところは、AIに任せられます。この記事では、8項目の一覧と業種別の型3種、コピーして使えるプロンプトをご紹介します。

在庫の数が合わなくなる3つの原因

数が合わない会社で、数え方が下手な人はほとんどいません。決めていないことが3つあって、そこで記録が切れます。

ずれる原因現場で起きること先に決めておくこと
出し入れを書く場所がない持ち出した人が口頭で伝え、聞いた人が忘れる。翌朝には誰も覚えていない書く場所を1か所に決めて、持ち出した本人が書く
単位がそろっていない箱・本・ケースが混ざり、同じ品が2行になって合計が狂う品目ごとに数える単位を1つに固定する
数え直す日が決まっていない足りないと気づいた日だけ数えるので、いつからずれたのか追えない月に1回、日にちを決めて数える

いちばん多いのは単位です。同じ商品が「箱」と「本」で別々の行になっていて、片方だけ更新されている。この状態だと、表の合計は最初から合いません。1箱が何本かを表の欄外に書いておくだけで、かなり減ります。

置き場所も1つに決めてください。表計算ソフト1枚で足ります。在庫管理の専用システムを選ぶ話は、表が3か月続いてから考えれば間に合います。続かなかった表をそのままシステムに移すと、入力が止まる場所も一緒に移ります。

どの品目から手を付けるかを選ぶ材料は、業務の一覧表です。作り方は業務の棚卸しのやり方にまとめています。一覧の中で担当者が1人しかいない行に、在庫の情報も一緒にたまっていることが多くあります。

在庫管理表に入れる項目は8個でいい

項目は少ないほど埋まります。次の8個で、発注の判断と棚の確認に必要な情報はそろいます。

項目書く例決めごと
品番A-014自社で採番する。仕入先の型番は別の欄に置く
品名◯◯用フィルター 標準現場で呼んでいる名前で書く。カタログ名は備考へ
単位本(1箱=10本)1品目に1単位だけ。換算はここに書き添える
保管場所2階倉庫 B棚初めて来た人が探せる粗さで書く
いまの数24計算式ではなく、最後に数えた実数を入れる
発注点10この数まで減ったら頼む、という1つの数字
発注先・連絡方法◯◯商会/FAX担当者名まで書くと、休んだ日に止まらない
最終更新日2026-09-04日付が古い行は、数字より先に疑う

金額の欄は最初は作らないでください。単価を入れた瞬間、表を直すたびに経理側の数字と突き合わせる作業が増えます。在庫の表は「いくつあるか」を合わせるための道具で、金額の管理は帳簿側の仕事です。両方を1枚でやろうとすると、どちらも中途半端になります。

迷いやすいのは発注点です。目安は「1週間で使う数 × 届くまでにかかる週数 + 予備1週間分」で置いてください。週に4本使い、届くまで2週間かかるなら、4×2+4で12本。この数字は最初から当てにいかず、3か月使って足りなかった品目だけ上げれば十分です。

そのまま使える型3種(業種別)

8項目は共通の土台です。業種によって足りない欄が1つか2つあり、そこだけ足せば形になります。

足す欄数え直す間隔つまずきやすい点
小売・店舗の商品売場/バックヤードの内訳月1回(動きの速い品は週1回)売場の分を数え忘れて、倉庫の数だけで判断する
建設・工事の資材と道具持ち出し先の現場名/返却予定日月1回+現場が終わるたび現場に出たまま戻らず、あるはずの道具を買い足す
クリニック・事業所の消耗品使用期限/開封日月1回(期限の近い棚は週1回)数はあるのに期限切れで使えない

建設の型だけは、欄を足すだけでは足りません。持ち出しの記入を、現場へ出る本人の手で終わらせる形にしてください。事務所に戻ってから書く決まりにすると、書かれない日が必ず出ます。共有の表計算ファイルをスマートフォンから開いて、行末の欄に現場名を入れて閉じる。この程度の手間に収めるのが要点です。

期限のある物を扱う型では、いまの数より期限の近い順に並べ替えられるかが効きます。使用期限を文字ではなく日付として入れておくと、並べ替えるだけで「今月中に使い切る棚」が出ます。

数が合う表にするまでの4ステップ

全品目をそろえるところから始めると、たいてい途中で止まります。次の順番で、1か月かけて1周してください。

ステップやることかかる時間の目安
1.品目を30に絞る毎月動く物だけを選ぶ。年に1度しか動かない物は今回入れない30分
2.単位を1つに決める箱か本かを品目ごとに決めて、換算を欄外に書く30分
3.1回数えて初日の数にする帳簿と合わなくても、数えた実数をそのまま入れる1〜2時間
4.記入場所を決めて1か月回す出し入れした人がその場で1行書く。月末にもう一度数える1日あたり数分

3の「帳簿と合わなくても実数を入れる」でつまずく会社が多くあります。過去のずれを先に解決しようとすると、原因が分からないまま2週間が過ぎます。今日数えた数を出発点にして、翌月末にもう一度数える。この2回の差が、1か月で本当に動いた量です。ここから先は原因を追えます。

1か月回したら、担当者が休んだ日に他の人が同じ手順を踏めるかを見てください。踏めない場合は、表ではなく手順の書き方の問題です。1業務1枚に落とす書き方は引き継ぎ書の作り方にまとめています。

AIに下書きさせるプロンプト3種

そのままコピーして使えます。3本を順番に使う前提で作っています。

1本目:自社に合う項目を決める

当社は宮城県で(業種)を営む、従業員(人数)名の会社です。
在庫管理表を新しく作ります。
・下の8項目を土台として、当社の業種で足すべき欄を2つだけ提案してください
・提案する欄ごとに、それが必要になる場面を1行で説明してください
・3つ以上は提案しないでください
・毎回の記入に30秒以上かかる欄は提案しないでください
(ここに8項目を貼る)

2つまでと数を切ることが要点です。上限を書かないと15個の欄が返ってきて、また埋まらない表に戻ります。

2本目:バラバラの記録を表の行に直す

以下は、倉庫のノートと発注メールに散らばっていた在庫の記録です。
・下の項目の並びに合わせて、1品目1行の表に直してください
・記録に書かれていない欄は空欄のままにして、推測で埋めないでください
・同じ物が違う呼び名で複数回出てくる場合は、統合せず候補として併記してください
・単位が混ざっている品目には、末尾に「単位要確認」と付けてください
(ここに項目の並びと記録を貼る)

統合させないことが要点です。同じ物かどうかは棚を見ている人にしか分かりません。AIが勝手にまとめた1行は、あとから解けなくなります。

3本目:数が合わない品目を質問リストにする

以下は、月初に数えた在庫と月末に数えた在庫、その間の出し入れの記録です。
・計算が合わない品目を、ずれの大きい順に10件挙げてください
・品目ごとに、担当者へ聞くべきことを3問までにまとめてください
・質問は棚の前で口頭で聞ける短さにしてください
・原因の推測は書かず、確かめる方法だけを書いてください
(ここに3つの表を貼る)

この3本を通すと、散らばった記録から表の初版までが1時間ほどで形になります。表計算ソフトの中身をAIに読ませて数を突き合わせる手順はExcelやCSVをAIに読ませて集計する方法にまとめています。

プロンプトが思ったとおりに動かないときは、指示の書き方を先に見直すと早く進みます。書き方の型はAIへの指示(プロンプト)の書き方でご説明しています。

AIに任せてはいけないこと

AIが得意なのは形をそろえることで、棚に何本あるかを知ることではありません。現物を見ていない答えは、もっともらしい数字で出てきます。

任せてよい人が決める
記録を項目ごとに仕分ける棚にある実際の数
呼び名のゆれを候補として並べる同じ品目として1行にしてよいか
計算の合わない品目を洗い出すずれの原因が紛失か記入漏れか
発注点の候補を計算する切らしたときの損の重さ

いちばん危ないのは、数字をAIに推測で埋めさせることです。過去の平均から「だいたい20本」と返ってきた数字は、表の中では実測値と見分けが付きません。その1行を信じて発注を止めた月に、現場が止まります。空欄は空欄のまま残して、棚の前で埋めてください。

仕入先の名前や単価をそのまま貼るかどうかは、社内で先に決めておく話です。判断の目安は会社でAIに入れていい情報・ダメな情報にまとめています。「A社」「単価は伏せる」に置き換えれば、表を設計する用途には足ります。

医薬品・医療機器・食品・危険物・アルコールなどは、業種ごとに帳簿や記録の付け方が法令で決められている場合があります。
この記事の8項目は、そうした法定の記録に置き換わるものではありません。
該当しそうな品目を扱っている場合は、所管の窓口の案内をご確認のうえ、行政書士・薬剤師・専門の担当者にご相談ください。

まず30品目・30分から始めてください

倉庫にある物を全部そろえると決めると、着手そのものが止まります。毎月動いている品目を30だけ選んで、8項目を埋めてください。30分あれば形になります。

30品目でも、たいてい何か見つかります。同じ物が2行ある。発注先が誰なのか分からない品がある。発注点の欄が全部空いている。抜けている場所は、話しているときには見えず、表にした瞬間に見えます。

30品目が1か月回ったら、同じ形で残りに広げてください。1枚めができると、次からは同じ欄に当てはめるだけで済みます。最初に全品目をそろえた完全な様式を作ろうとすると、完成しないまま終わります。

ベテランの頭の中にある在庫の勘どころを、会社の側に残る形にしていく流れはAI導入で何をつくるのかでご説明しています。

複数の店舗で別々になっていた事務のやり方を、本部でそろえて各店へ配った実例は複数店舗を展開する小売業様の事例(CASE 02)でご紹介しています。表を1枚作ったあとに、それを他の拠点へどう広げるかを考えるときの参考になります。

「あの棚のことは、あの人しか分からない」
その勘どころを会社に残す1枚を、30分で一緒に作れます。

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ご契約前提でなくても大丈夫です。話を聞くだけのご利用も歓迎します。

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