目標管理シートの作り方|形だけで終わらせない6項目と職種別の型3種、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】

期首に目標を書いて出したきり、期末になって「何を書いたっけ」とファイルを開き直す。数字にしにくい仕事ほど、書く手が止まって空欄のまま残る。従業員が10〜50名ほどの職場で、目標管理シートの様式をそろそろ決めておきたい方に向けて書いています。

結論からお伝えします。目標が期末に「できませんでした」で終わるのは、本人のやる気の問題ではありません。前提が途中で変わったことを書き残す欄がないからです。項目は6個で足ります。頭の中にある仕事を6つの欄に振り分ける作業は、AIに任せられます。この記事では、6項目の一覧と職種別の型3種、コピーして使えるプロンプトをご紹介します。

目標管理シートが「形だけ」になる3つの原因

期首に集めたシートが期末まで一度も開かれない職場で、書いた人が手を抜いていることはめったにありません。様式の側に足りない欄が3つあって、そこで止まっています。

止まる原因職場で起きること先に決めておくこと
心がけしか書けない「意識して取り組む」「丁寧に対応する」で埋まる。期末に達成かどうかを誰も判定できない数字が出ない仕事には「どんな状態になっていたら達成か」を1行で書かせる
前提が変わっても書き足せない担当が増えた、機械が止まった、取引先の都合で計画がずれた。全部「未達」に丸められる自分では決められない条件を期首に書き出し、変わった日付を追記する欄を作る
期首と期末しか登場しない半年後に開いたときには状況が変わっていて、書き直すには遅すぎる見直す日をシートの中にあらかじめ書いておく

3つに共通しているのは、目標が個人の心がけとして書かれていて、会社側の条件として書かれていないことです。心がけは他の人には見えません。条件なら見えます。見えるものだけが、途中で直せます。

自分の仕事にどんな作業が含まれているか自体があいまいなときは、目標を立てる前に一覧にしておくと早く進みます。手順は業務の棚卸しのやり方にまとめています。

目標管理シートに入れる項目は6個でいい

市販の様式には10個以上の欄が並んでいることがあります。欄が多いほど、埋めること自体が目的になります。次の6個があれば、期末の振り返りまで持ちます。

項目書くこと書き方の例
① 何のための目標か会社や部署が今期やろうとしていることとのつながり部署の「問い合わせ対応の待ち時間を減らす」に対して、自分は返信の下書きを速くする
② やること目標ではなく、実際に手を動かす作業見積書のひな型を3種類つくり、営業3名が共通で使える場所に置く
③ 期限②をいつまでに終わらせるか10月末までにひな型3種、11月中に全員が1回ずつ使う
④ できたと言える線達成の目安。数字が出ないなら「状態」で書く見積作成にかかる時間が1件あたり30分から15分になっている
⑤ 自分では決められない条件他部署・上長・予算・設備など、前提として頼っているもの既存の見積フォーマットを変更してよいこと。営業3名が11月に手が空くこと
⑥ 見直す日期首と期末の間に、一度だけ立ち止まる日12月10日の全体会議のあと、15分だけシートを開く

この6個の芯は⑤です。①から④は他の様式にも入っています。⑤だけは、書かないと誰の目にも触れません。期末に「できませんでした」と書かれた目標の多くは、⑤が途中で崩れています。崩れた事実がシートに残っていれば、それは個人の評価の話ではなく、来期の段取りの話になります。

⑥について、「見直す日は上長が声をかければいい」と思われるかもしれません。声はかかりません。日付をシートに書いておくと、本人が開きます。15分で足ります。

期末の評価コメントを書く段になって困る場合は、シート側ではなく書き方の型の問題であることもあります。型は人事評価のコメントの書き方でご説明しています。

そのまま使える型3種(職種別)

同じ6項目でも、書きぶりは仕事の種類で変わります。数字が出る仕事と、数字にしにくい仕事を、同じ様式で無理やり書かせると片方が壊れます。3種類だけ用意しておけば、たいていの職場は足ります。

型1|数字が出る仕事(営業・店舗)

記入例
① 何のための目標か既存のお客様からの受注を落とさない(部署方針)
② やること担当30社に半年で1回ずつ訪問し、次の予定をその場で決める
③ 期限3月末までに30社。1月末で15社を通過点にする
④ できたと言える線30社中25社で次回の日程が決まっている
⑤ 決められない条件担当社数が期中に増えないこと。移動に使う社用車が週2日使えること
⑥ 見直す日1月の月初会議のあと

型2|数字にしにくい仕事(事務・管理部門)

記入例
① 何のための目標か経理の締め作業が月末に集中して残業になっている
② やること請求書の受け取りから仕訳までの手順を書き出し、担当外の人でも1件処理できる形にする
③ 期限11月末までに手順書、12月に別の担当者が1件やってみる
④ できたと言える線経理担当以外の1名が、手順書だけを見て1件を最後まで処理できている
⑤ 決められない条件会計ソフトの権限を1名分増やしてよいこと。12月に試す時間を30分もらえること
⑥ 見直す日11月15日

型2の④は「状態」で書いています。数字にしにくい仕事は、達成したときに何が見えているかを書けば判定できます。「効率化する」ではなく「別の人が1件できている」と書くと、期末に見に行けます。

型3|現場の作業(製造・工事・整備)

記入例
① 何のための目標か同じ工程で手戻りが月に数回出ている
② やること手戻りが出た日に、その場で原因を1行メモに残す
③ 期限10月から3月まで継続
④ できたと言える線半年で集まったメモを並べ、多い原因の上位3つが言える
⑤ 決められない条件メモを置く場所を現場に1か所つくってよいこと。班長が週1回集めること
⑥ 見直す日12月と3月の安全会議のあと

型3の②は、達成そのものではなく記録を残す行動を目標にしています。原因が分からないうちは、減らす目標を立てても打つ手が決まりません。半年後に上位3つが言えれば、来期はそこを潰す目標が書けます。

②で決めた作業が複数人にまたがるときは、順番と受け渡しを図にしておくと迷いが減ります。書き方は業務フロー図の作り方でご紹介しています。

期首から期末までの4ステップ

ステップやること目安の時間
1. 期首に書く本人が6項目を埋める。上長は⑤だけを見て、頼っている条件が本当に用意できるかを答える本人30分・上長10分
2. 見直す日に開く⑤が変わっていないかだけを見る。変わっていたら、変わった内容と日付を追記する15分
3. 期末に振り返る④に書いた線に届いたかを見る。届かなかったときは、②が足りなかったのか⑤が崩れたのかを分ける20分
4. 来期へ渡す⑤が崩れた項目を集める。個人ではなく段取りの宿題として、来期の計画に載せる部署で30分

4を飛ばすと、翌年も同じ理由で未達になります。「人手が足りなかった」が3年続けて書かれているなら、それは目標の立て方ではなく人の配り方の話です。シートを集めた側にしか見えません。

部署の宿題を会社全体の計画につなげる段になったら、経営計画書の書き方と合わせて読んでください。どこに載せればよいかが決めやすくなります。

AIに下書きさせるプロンプト3種

6項目のうち、AIが手伝えるのは頭の中にある仕事を欄に振り分けるところです。何を目指すかは人が決めます。以下はそのままコピーして使えます。( )の中はご自身の状況に置き換えてください。

プロンプト1|ばくぜんとした目標を6項目に振り分ける
下の文章を、目標管理シートの6項目に振り分けてください。
・項目は ①何のための目標か ②やること ③期限 ④できたと言える線 ⑤自分では決められない条件 ⑥見直す日 です
・書かれていない項目は「記載なし」と書き、内容を推測して埋めないでください
・④が心がけになっている場合は、状態で言い直す案を1つ添えてください
(ここに今期やりたいことを箇条書きで貼る)
プロンプト2|「自分では決められない条件」を洗い出す
下の目標を実行するとき、自分の裁量では決められない前提を10個挙げてください。
・他部署・上長の承認・予算・設備・時間の確保に分けてください
・実現できるかどうかの判断は書かず、前提だけを挙げてください
・当社は(業種・従業員数・自分の担当業務)です
(ここに②やることを貼る)
プロンプト3|期末に、未達の理由を仕分ける
部署の目標管理シートを貼ります。期末に④へ届かなかった項目だけを一覧にしてください。
・氏名/目標/届かなかった内容/⑤に書かれた条件の変化 の表にしてください
・⑤の変化が記録されている項目と、記録がない項目を分けてください
・誰の責任かは判定しないでください
(ここにシートを貼る)

プロンプト3は期末に1回だけで足ります。⑤の変化が記録されている項目は、来期の段取りを直す材料になります。記録がない項目は、そもそも⑤を書く習慣がまだ根づいていないという合図です。

思ったとおりに動かないときは、指示の書き方から見直すと早いです。型はAIへの指示(プロンプト)の書き方でご説明しています。見直す日のメモを移動中に残したい場合は、音声入力で報告を終わらせる方法と組み合わせると15分が3分になります。

AIに任せてはいけないこと

AIが得意なのは形をそろえることで、その人が今期どこに時間を使うべきかを決めることではありません。会社の事情を知らない答えは、もっともらしい目標として出てきます。

任せてよい人が決める
ばくぜんとした話を6項目に振り分ける①で、部署のどの方針につなげるか
④が心がけになっていないか点検する④の線をどこに置くか
⑤の候補を洗い出す⑤の条件を本当に用意するかどうか
期末に未達の項目を一覧にするその未達を評価にどう扱うか

いちばん危ないのは、本人に代わってAIに目標を書かせることです。職種と業種を渡せば、それらしい目標は出てきます。ただし、そこに書かれた「やること」を来月やるのは本人です。AIに書かせてよいのは、人が言葉にした中身の並べ替えまでです。

シートには氏名と評価が並びます。そのまま貼ってよいかは、社内で先に決めておく話です。判断の目安は会社でAIに入れていい情報・ダメな情報にまとめています。

この記事は、仕事の目標を書いて振り返るための一覧づくりを扱っています。
目標管理シートを人事評価の点数や賃金・賞与の決定に結びつける場合、就業規則や賃金規程の書き換えが必要になることがあります。
評価制度として運用する段階に入るときは、社会保険労務士など専門の担当者にご確認ください。

まず1人分・A4 1枚から始めてください

全社の様式を統一すると決めると、決めること自体で止まります。次に期が変わる部署から1人だけを選んで、6項目を埋めてください。A4で1枚、30分あれば形になります。

1枚でも、たいてい何か見つかります。④を書こうとして、達成の線を誰も決めていなかったことに気づく。⑤を書き出したら、去年つまずいた条件がそのまま残っていた。前提は、話しているときには見えず、欄に書いた瞬間に見えます。

1枚めができたら、同じ6項目で部署に広げてください。型が決まっていると、2枚めからは欄を埋めるだけで済みます。最初に完全な様式を作ろうとすると、期首に間に合わないまま今年も終わります。

一人ひとりの頭の中にしかなかった段取りを、会社の側に残る形にしていく流れはAI導入で何をつくるのかでご説明しています。

記録は溜まっているのに振り返りに変えられずにいた実例は宮城県のスポーツ教室様の事例(CASE 06)でご紹介しています。1年以上ためた日々の記録を、判断に使える形へまとめ直すところから始めました。期末に開くシートの話とそのまま重なります。

「今期の目標、何にしましたっけ」で終わらせない。
期末に開いて意味のある1枚を、30分で一緒に作れます。

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