発注書の作り方|注文書・注文請書との違いと書く項目、取引別の型3種とAI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】

仕入れ先には電話で頼み、外注先にはLINEで「いつもの感じで」と送った。月末に届いた請求書の金額が、頼んだつもりの金額と合わない。取引先への発注を自分で回している会社の経営者に向けて書きました。取引先が増えると、どこでも出てくる詰まりです。

結論からお伝えします。発注で揉める原因は、発注書の書式が無いことより、頼んだ中身・金額・納期・支払いの条件が、電話とメールと見積書に散らばっていて、あとから1枚で確かめられないことです。書く項目はほぼ決まっていて、取引の種類ごとに型を3つ持てば足ります。散らばった条件を1枚に並べ直す下書きは、AI(Claude)に任せられます。この記事では、注文書・注文請書との違い、書く項目、2026年1月に始まった取適法で気をつけたい点、取引別の型3種、コピーして使えるプロンプトをご紹介します。

発注のあとで揉める3つのパターン

発注書を作っていない会社でも、発注そのものをいい加減にしている例はほとんど見かけません。揉める場面には、決まった型が3つあります。

つまずき会社で起きること直し方
電話・口頭・LINEで頼んで終わっている納品物が届いてから「数量は50ではなく500と聞いた」と言われ、どちらの記憶が正しいか確かめられない頼んだ直後に、中身・数量・金額・納期を1枚にしてメールで送る。書式より「送った記録」を先に残す
見積書をもらったまま、発注の条件を返していない見積書の有効期限が切れていた。追加の作業が見積りに入っていたか、誰も覚えていない見積書の番号を発注書に書き、見積りから変えた点だけを発注書の側に書き足す
支払いの条件を書いていない「月末締め翌月末払い」のつもりが、相手は「納品後すぐ」と思っていた。振込手数料をどちらが持つかでも行き違う締め日・支払日・支払方法・手数料の負担を、型の決まった欄にしてしまう

3つに共通しているのは、条件そのものは頭の中で決まっているのに、それが相手と同じ1枚になっていない点です。見積りを出す側に回ったときの書き方は、見積書・請求書づくりをAIに任せる方法でまとめています。

発注書・注文書・注文請書・見積書の違い

名前が似ているので混ざりやすいのですが、誰が出すか、何を示すかで役目が分かれます。発注書と注文書は、呼び方が違うだけで役目は同じと考えてかまいません。

書類誰が出すか何を示すか
見積書受ける側(仕入れ先・外注先)この中身なら、この金額と条件で引き受けられます、という提示
発注書(注文書)頼む側(自社)この中身を、この金額・納期・支払条件でお願いします、という申し込み
注文請書受ける側その注文を、その条件で引き受けました、という返事
納品書・請求書受ける側納めたもの、請求する金額の知らせ

小さな会社で抜けやすいのは、注文請書の往復です。発注書を送っただけでは「相手が同じ条件で受けた」記録が残りません。金額の大きい外注や、納期がずれると困る取引では、請書を返してもらってください。難しければ「この条件で承りました」とメールで返事をもらうだけでも違います。

なお、注文請書は内容によって収入印紙が必要になる場合があります。紙で交わすか電子で交わすかでも扱いが変わるため、迷ったら税理士か税務署に確認してください。

発注書に書く項目と、2026年1月からの取適法

発注書に入れる項目は、業種が違ってもほぼ同じです。「抜けると何が起きるか」まで一緒に持っておくと、欄を削りたくなったときの判断がぶれません。

項目書く内容抜けると起きること
発注日・発注番号発注した日と、社内で追える番号請求書と突き合わせるときに、どの発注か特定できない
発注先・発注元相手の会社名と、自社の会社名・担当者・連絡先担当者が替わったときに、誰に何を頼んだかが分からない
品名・作業の内容品番、仕様、作業の範囲。見積書があれば番号「そこまでは含まれていない」と追加料金になる
数量・単価・金額数量、単価、小計、消費税、合計桁の聞き違いや、税込か税抜かの行き違いがそのまま請求に出る
納期・納品場所日付、時間帯、届け先現場に届かない、別の事務所に届く
支払条件締め日、支払日、支払方法、振込手数料の負担支払いの時期で揉め、相手との信頼が崩れる
検収のしかた何を確認したら受け取り完了とするか不具合が見つかったときに、直してもらえるか決められない
備考見積りから変えた点、分納の有無など口頭で決めた例外が、次の担当者に伝わらない

2026年1月1日から、下請法が改正されて「中小受託取引適正化法(取適法)」になりました。対象になる取引では、発注する側(委託事業者)が、給付の内容・代金の額・支払期日・支払方法などの発注内容を、書面またはメールなどの電磁的方法で明示する必要があります。明示の方法は、相手の承諾がなくてもメール等を選べるようになっています。

自社の取引が対象になるかは、資本金や従業員数、取引の種類で決まります。この記事では当てはまるかどうかの判断はしません。公正取引委員会や中小企業庁の案内を読むか、弁護士に確認してください。対象でない取引でも、上の項目を書いておけば揉める余地は小さくなります。

そのまま使える型3種(取引別)

発注書の型を1枚にまとめようとすると、欄が増えすぎて誰も使わなくなります。取引の種類で3つに分けると、それぞれの欄が少なく済みます。

向いている取引足す欄省いてよい欄
型1|物品の仕入れ材料・商品・消耗品の定期的な発注品番、入数、分納の可否作業の範囲、検収の詳しい手順
型2|作業・工事の外注現場作業、設置、修理、清掃などを外に頼む作業の範囲、作業日と場所、立ち会いの有無、追加作業の扱い品番、入数
型3|制作・業務の委託デザイン、HP制作、記帳、翻訳など形のない仕事成果物の形式、修正の回数、途中で確認する日、権利の扱い納品場所、分納

型3の「権利の扱い」は、書き方を自社で決めないでください。作ってもらったものを誰が使えるか、手を加えてよいかは契約の話です。欄だけ用意しておき、中身は相手との取り決めや専門家の確認に沿って埋めてください。

仕入れの型1は、在庫の数え方と欄の名前をそろえると、発注の数量を決める根拠がそのまま残ります。数え方は在庫管理表の作り方でまとめています。

発注書を回すまでの4ステップ

ステップやること目安
1. 先月の発注を集める電話メモ、LINE、メール、見積書から、先月の発注を3件だけ拾う20分
2. 型を選んで欄を決める3件を型1〜3に振り分け、抜けていた項目に印をつける15分
3. 送り方を決めるPDFをメールで送るか、紙で渡すか。控えの置き場所と発注番号の付け方も決める10分
4. 請求書と突き合わせる月末に届いた請求書を、発注番号で発注書と照らし合わせる月1回

いちばん効くのはステップ4です。発注書を作っても、請求書と照らし合わせないと食い違いは見つかりません。発注番号を請求書に書いてもらうよう、取引先に一言お願いしておくと照合が速くなります。発注書を送るときの添え状は、送付状の書き方の型がそのまま使えます。

AIに下書きさせるプロンプト3種

ここからは、そのままコピーして使えるプロンプトです。いずれも取引先の実名と実際の単価は入れずに使ってください。形を整えるだけなら、「仕入れ先A」と仮の金額で用が足ります。

プロンプト1|取引に合う発注書の型を下書きさせる

あなたは中小企業の総務担当です。発注書の型を下書きしてください。

【会社の状況】
・従業員12名。仕入れ先は5社、外注先は3社
・発注は電話とメールが混ざっている
・月末締め、翌月末払いが基本

【出したいもの】
・作業・工事の外注用の型。項目名と、各項目に書く内容の例を1行ずつ
・発注番号の付け方の案を2つ

【条件】
・金額や日付は「◯円」「◯月◯日」のように空欄で置く
・法令に合っているかの判定は書かない。確認が要る項目には「要確認」とだけ添える

プロンプト2|見積書と発注書の食い違いを拾わせる

下の「見積書」と「発注書の下書き」を読み比べて、食い違っている箇所を一覧にしてください。

【見てほしいところ】
・品名、作業の範囲
・数量、単価、税込か税抜か
・納期、納品場所
・支払条件
・一方にだけ書いてあって、もう一方に無い項目

【出し方】
・「項目/見積書の記載/発注書の記載」の3列の表
・どちらが正しいかは判断しない

【見積書】
(ここに貼る)

【発注書の下書き】
(ここに貼る)

プロンプト3|電話やLINEで頼んだ内容を発注書の形に並べ直させる

下のメモは、取引先に電話とLINEで頼んだ内容の書き起こしです。発注書の項目に並べ直してください。

【並べる項目】
発注日/発注先/品名・作業の内容/数量/単価/金額/納期/納品場所/支払条件/備考

【条件】
・メモに書かれていない項目は空欄のまま「未確認」と書く
・数字を推測で埋めない。計算もしない
・最後に、相手に確認すべき点を箇条書きで3つまで

【メモ】
(ここに貼る)

プロンプト3で「数字を推測で埋めない。計算もしない」と縛っているのには理由があります。AIは空欄を嫌い、それらしい単価や合計を気を利かせて書き足すことがあります。発注書でいちばん困るのは、誰も言っていない数字が正式な書類に載ることです。空欄は空欄のまま返させ、確認すべき点として並べさせると、電話1本で埋められます。

思ったものが出てこないときは、条件を足すより先に、渡した情報が足りているかを見てください。勘どころはAIへの指示(プロンプト)の書き方にまとめています。月末の照合を表計算で行っている場合は、Excel・CSVの集計をAIに任せる方法の確認手順も使えます。

AIに任せてはいけないこと

任せてよいこと人が決めること
取引の種類に合わせて、発注書の型を下書きするどこに、いくらで、いつまでに頼むか
見積書と発注書の食い違いを拾い出す食い違ったとき、どちらの条件で進めるか
電話やLINEのメモを、発注書の項目に並べ直す空欄になった数字の確定(相手に確認する)
請求書と発注書を照らし合わせる表を作るその取引が取適法の対象か、書き方が法令に合っているか(公正取引委員会の案内や弁護士で確認する)

いちばん気をつけたいのは、取引先の名前と単価が入った発注書や見積書をそのまま貼ることです。仕入れの単価は、取引先との約束であり、自社の利益の土台でもあります。型を整えたいだけなら、会社名を「仕入れ先A」、単価を「◯円」に置き換えれば用は足ります。判断の目安は会社でAIに入れていい情報・ダメな情報にまとめています。

もう1つ、金額の計算をAIに任せきりにしないでください。小計や消費税の計算は、表計算ソフトの数式で出すほうが確実です。AIには並べる作業と食い違いを探す作業を任せ、数字は数式と人の目で確かめる。この分け方にしておくと、発注書が約束の記録として信頼できます。

まず、先月の発注を3件だけ並べてください

全部の取引先の発注書をそろえてから始めると決めると、着手そのものが止まります。先月の発注から3件を選び、頼んだ内容・見積書・届いた請求書の3つを並べてください。3件なら30分ほどで済みます。

3件でも、たいてい何か見つかります。見積書に無い作業が請求に載っていた。税込のつもりが税抜だった。支払日を相手と違う日で覚えていた。食い違いは、頭で覚えているときには見えず、並べた瞬間に見えます。

3件で型の欄が固まったら、同じ種類の取引へ広げてください。型が決まっていると、次の発注からは空欄を埋めるだけで済みます。

こうした事務の下書きをAIに任せ、判断に使う時間を空けた例があります。複数店舗を展開する小売業様では、経理のサポートで送るメールの下書きや店舗マニュアルのたたき台を任せ、担当者が自分で判断すべきことに集中できるようになりました。進め方は小売業様の事例(CASE 01)をご覧ください。

発注のほかにどの仕事から手をつけるか迷う場合は、AIに任せられる仕事の一覧を室ごとに並べています。総務や経理のまわりだけでも、下書きまでを任せられるものがいくつも見つかります。

こうして経営者の頭のなかにあった取引の決まりを、会社の側に残る書類にしていく流れはAI導入で何をつくるのかでご説明しています。

毎月くり返している発注と照合の手間を
30分で一緒に探します。

まずは30分、話すだけで大丈夫です

資料も準備もいりません。
いまの仕事のことを、そのまま話してください。
合わなければ、そのまま終わって構いません。
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