人事評価のコメントの書き方|そのまま使える型4つと、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト例つき【2026年版】
評価シートのコメント欄が埋まらない。「よくがんばっていた」から先が出てこない。同じような文章が20人分並んでしまう。部下の評価コメントを書く立場の方に向けて書いています。
結論からお伝えします。評価コメントが書けないのは、文章力の問題ではありません。期の途中で事実を記録していないからです。手元に材料がない状態で書こうとするから、印象を言葉にするしかなくなります。この記事では、材料の集め方と、そのまま使える型4つ、コピーして使えるプロンプトをご紹介します。
なぜ評価コメントが書けないのか
期末になって手が止まるとき、詰まっているのは書き出しではありません。書くべき事実が手元にないのです。
半年前の出来事は、たいてい覚えていません。残っているのは直近1か月の印象だけです。だから、こういう文章になります。
| 本人が知りたいこと | 材料がないコメント | 材料があるコメント |
|---|---|---|
| 何を評価されたのか | よくがんばっていた | 4月の棚卸で手順書を作り直した |
| どれくらいの成果か | 成果を上げた | 締めの作業が2日から半日になった |
| どこが足りないのか | 積極性に課題がある | 相談が遅れて納期が2件ずれた |
| 次は何をすればいいか | さらなる成長を期待する | 下期は見積の一次作成を任せる |
右の列は、文章がうまいわけではありません。事実が書いてあるだけです。左と右を分けているのは表現力ではなく、記録の有無です。
そして左のようなコメントは、本人にほとんど届きません。褒められても何が良かったのか分からず、指摘されても何を直せばいいのか分かりません。面談の時間が長くなるのも、この段階で情報が足りていないからです。
材料は期の途中にしか集まらない
期末に思い出そうとしても出てきません。集めるのは期の途中です。ただし、新しく何かを書き足す必要はありません。すでにある記録を、評価のときに開くと決めておくだけです。
| すでにある記録 | そこから拾えること |
|---|---|
| 日報・週報 | 担当した仕事の中身と、詰まった場所 |
| 期首に決めた目標 | どこまで進んで、どこが残ったか |
| 面談やミーティングのメモ | 本人が困っていると言った内容 |
| お客様や他部署からの声 | 社内では見えない働き |
日報が形だけになっていると、ここで効いてきません。読んで意味のある形にする決め方は業務日報のテンプレートにまとめています。移動中の音声入力で終わらせる方法は日報・現場報告をAIに任せる方法が参考になります。
それでも記録が薄い期はあります。その場合は、思い出せた分だけで書いてください。無理に全員分を同じ厚みにしようとすると、埋めるための言葉が増えます。
そのまま使える型4つ
順番はどれも同じです。事実 → 評価 → 次に期待することの3段で書きます。この順にすると、本人が読んだときに「何を見て、そう言われたのか」が分かります。
型1:期待どおり、または期待を超えた人
4月の棚卸で、旧版のまま止まっていた手順書を全面的に作り直しました。これにより、締めの作業が2日から半日に短縮しています。手順を残したことで、担当が不在でも回る状態になりました。下期は、同じやり方を受注処理にも広げてもらいたいと考えています。
成果が出た人ほど、コメントが短くなりがちです。何をしたから良かったのかを1文入れてください。それが無いと、本人は再現できません。
型2:期待に届かなかった人
上期は、納期の変更連絡が2件遅れました。いずれも、社内で解決しようとして相談が後になった経緯があります。ひとりで抱えないという点は、下期の課題です。判断に迷ったその日のうちに一報を入れるところから始めてください。こちらも、週次で状況を聞く時間を取ります。
この型で大事なのは最後の1文です。本人だけの宿題にしないこと。上司側が何をするかを書くと、面談で責める形になりません。
型3:入社1年目・異動してきた人
6月から受付業務に入り、3か月で一通りの流れを覚えました。分からない点をその場で聞ける姿勢が、覚えの速さにつながっています。現時点では、イレギュラーな対応で判断が止まる場面が残っています。下期は、よくある例外3つを一緒に整理して、判断の基準を持てるようにします。
経験の浅い人を、経験者と同じものさしで測ると、コメントが指摘だけになります。できるようになったことを先に書いてください。教える順番の決め方は新人教育・OJTをAIに任せる方法にまとめています。
型4:成果は出ているが、進め方に気になる点がある人
担当した5件はいずれも期日どおりに納まりました。数字の面では期待を上回っています。一方で、作業の進め方が本人の中だけにあり、他の人が引き継げない状態です。下期は、1件でよいので手順を書き残す形にしてください。うまくいっているやり方ほど、共有する価値があります。
成果と進め方は分けて書きます。混ぜると、褒められたのか注意されたのかが伝わりません。手順を書き残す作業そのものはマニュアル・手順書づくりをAIに任せる方法で軽くできます。
避けたい表現と、その言い換え
評価コメントは本人が読みます。開示しない運用の会社でも、面談で口頭に変わって伝わります。人柄ではなく、行動について書いてください。
| 避けたい書き方 | なぜ困るか | 言い換え |
|---|---|---|
| 性格が消極的 | 人柄への断定になる | 相談のタイミングが遅くなる場面があった |
| やる気が感じられない | 根拠を示せない | 期首に決めた3件のうち2件が未着手だった |
| 若いので仕方ない | 年齢を理由にしている | 経験が3か月のため、判断の基準はこれから |
| 他のメンバーと比べて劣る | 比較対象が本人と関係ない | 期首に決めた目標に対して7割の到達 |
| 今後に期待する | 何をすればいいか分からない | 下期は見積の一次作成を担当してもらう |
もうひとつ、期首に伝えていないことで下げないでください。期末に初めて出てきた基準は、本人には防ぎようがありません。気づいた時点で伝えておくと、期末のコメントも書きやすくなります。
AIに下書きさせるプロンプト3種
【 】を埋めて貼り付けてください。個人が特定される情報は入れません。氏名は「Aさん」に置き換え、社名や顧客名は外します。
プロンプト1:事実メモからコメントの下書きを作る
プロンプト1
部下の人事評価コメントの下書きを作ってください。対象=【入社2年目・受付業務】。期首の目標=【一通りの受付対応をひとりで回す】。できたこと=【3か月で基本の流れを習得】【手順の不明点をその場で確認できている】。残った課題=【例外的な依頼で判断が止まる】。下期に任せたいこと=【よくある例外3つの整理】。
条件:事実、評価、次に期待することの順で250字程度。人柄や性格には触れず、行動と結果だけを書いてください。書いていない事実を推測で足さないでください。
プロンプト2:書いたコメントを出す前に点検する
プロンプト2
次の評価コメントを読み、本人が読んだときに「何を見てそう言われたのか」が分からない箇所を挙げてください。あわせて、人柄や性格への言及、根拠のない断定、比較による表現があれば指摘してください。
本文の書き直しはせず、指摘だけを出してください。
【ここにコメントを貼る】
2番目がいちばん効きます。自分で書いた文章の、根拠が抜けている場所は自分では見えません。書き直しをさせないと縛るのは、指摘に混ぜて文章を作り替えられるのを防ぐためです。
プロンプト3:面談で聞くことを先に用意する
プロンプト3
下の評価コメントをもとに、本人との面談で聞く質問を5つ作ってください。詰問にならない聞き方にしてください。うち2つは、こちら側の支援が足りていたかを確かめる質問にしてください。
評価が妥当かどうかの結論は書かないでください。
【ここにコメントを貼る】
プロンプトの書き方そのものに慣れていない場合はAIプロンプトの書き方、コツは5つだけから読んでみてください。
AIに任せてはいけないこと
評価そのものを決めるのは人の仕事です。その人がどんな状況で、どこまで任されていたのか。AIはそこを知りません。知らないまま、それらしい評語を置いてきます。AIに書かせるのは、決めたあとの文章だけです。
情報の扱いは特に注意してください。氏名・生年月日・給与額・健康状態が入ったまま貼り付けないでください。評価に関わる情報は、社内でも見る人が限られています。入れていい情報の線引きは会社でAIに入れていい情報・ダメな情報にまとめています。
もうひとつ、評価の結果を処遇に反映するときは、制度と手続きの話になります。昇給・降給・等級の変更・配置転換をどう扱うかは、就業規則や労働契約の内容によります。この記事の範囲ではありません。社会保険労務士や顧問の弁護士にご確認ください。評価制度そのものを作り直す場合も同じです。
そもそも人が足りず、評価どころではないという状況もあります。採用の前にできることは人手不足の対策、採用の前にできることで整理しています。
まず1人分だけ書いてみてください
20人分を一気に片づけようとすると、途中から言葉が同じになります。いちばん書きやすい1人から始めてください。
1人分を型どおりに書くと、自分がどの記録を見ているかが分かります。日報なのか、目標シートなのか、面談のメモなのか。それが分かれば、2人目からは先にその記録を開けば済みます。1人目は下書きの練習ではなく、材料のありかを確かめるための1人分です。
社内の記録をAIに読ませて、こうした下書きを日常的に回す形はAI導入で何をつくるのかでご説明しています。稟議や申請の文書も同じ考え方で軽くなります(稟議書の書き方)。
「評価の時期になると、毎回この作業で週末がつぶれる」
その段階のご相談から、30分で一緒に整理できます。

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