工程表の作り方|そのまま使える型3つと、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト

工程表を作ったのに、最初の一週間で予定とずれて、誰も見なくなる。段取りは結局ベテラン一人の頭の中にあり、その人が休むと現場が止まり、後ろの作業も動かせない。従業員10〜50名ほどの建設・製造業の会社で、そうなっている方に向けて書いています。

結論からお伝えします。工程表が守られないのは、作業の区切りが大きすぎて、終わったかどうかを誰も判定できないからです。ソフトを買い替えても、この一点が変わらなければ同じ結果になります。この記事では、Excelやガントチャートの操作ではなく、表に何を並べるかをご説明します。入れる5項目、そのまま使える型3つ、コピーして使えるプロンプト3種、変更が出たときの直し方の順です。

守られない工程表と、守られる工程表の違い

工程表は、先の予定を紙に写したものではありません。誰が・いつまでに・何を終わらせるかを、全員が同じ1枚で見るための道具です。この目的から外れた瞬間に、貼ってあるだけの紙になります。

守られない工程表守られる工程表
作業の区切り「内装工事」など、2週間かかる塊のまま半日から3日で終わる大きさに割る
担当部署名だけが入っている名前が入っている。複数人なら代表1人
終わりの合図だいたい終わり、の状態が続く何ができたら終わりかが1行で書いてある
余裕全部の作業がすき間なく詰まっている遅れる前提で、予備日が先に置いてある
更新作ったら貼りっぱなし週1回、終わった行に印がつく
置き場作った人のパソコンの中全員が同じ最新版を開ける場所

いちばん効くのは、作業の区切りを小さくすることです。2週間の行は、13日目まで進捗が0か100かで表せません。半日から3日に割ると、遅れが出た日にその場で分かります。

誰が何をしているかを先に洗い出す作業は、業務の棚卸しのやり方と同じ手順です。工程表は、棚卸しで出た作業に日付と担当を足したものと考えると早く進みます。

工程表に入れる5項目

社内に様式があればそちらが優先です。決まっていない場合は、次の5項目だけ埋めてください。列を増やすほど、更新されなくなります。

#項目書くことよくある抜け
1作業の名前終わったかどうかを一言で判定できる大きさにする「準備」「調整」など、何をするか読めない名前
2担当名前を書く。人数が多い作業でも代表を1人決める部署名だけで、当日まで誰も動かない
3開始日と終了日所要日数ではなく日付で書く「3日」とだけあり、いつ始めるかが決まらない
4前に終わっている必要のある作業先に終わらせる行の番号を書く空欄。1本遅れたとき、どこまで響くか読めない
5終わりの判定何ができたら終わりか。写真・納品・検査合格など判定が人によって違い、後戻りが起きる

4番と5番を書くと、工程表は予定表から段取りの記録に変わります。4番があると、1本の遅れが後ろの何本に響くかをその場で数えられます。5番があると、終わったつもりで先へ進む事故が減ります。

作業どうしのつながりが複雑で、順番が言葉で書ききれないときは、先に流れを絵にしたほうが早く進みます。書き方は業務フロー図の書き方にまとめています。

そのまま使える型3つ

工程表の形は3つで足ります。選ぶ基準は、期間の長さと、同時に進む作業の本数です。迷ったら1つ目から始めてください。

型1|一覧型(作業が30行までの案件)

No|作業の名前|担当|開始|終了|前工程|終わりの判定
1|現地調査|佐藤|9/2|9/2|なし|写真20枚と寸法メモ
2|見積作成|佐藤|9/3|9/4|1|先方へ送信済み
3|資材発注|鈴木|9/5|9/5|2|注文書の控えあり
4|納品待ち|鈴木|9/8|9/12|3|倉庫で現物を確認
5|施工1日目|高橋|9/16|9/16|4|下地までを写真で記録

1か月までの案件は、この形がいちばん更新されます。行が30を超えたら、章に分けるか型2へ移してください。

型2|線表型(2か月以上、同時進行が多い案件)

横に日付、縦に作業を並べ、期間を帯で引く形です。作る前に、型1の表を先に完成させてください。帯だけ先に引くと、担当と終わりの判定が抜けたまま出来上がります。

決めること目安
横軸の刻み3か月までは日、それ以上は週
予備日全体の1割を、月末ではなく山場の直後に置く
節目検査・引き渡しなど、動かせない日を先に固定する
同時進行の上限1人が同じ日に持つ作業は2本まで

予備日を月末にまとめて置くと、使い切ったことに月末まで気づけません。山場の直後に置くと、遅れたその週に判断できます。

型3|当日の段取り型(1日単位)

9/16(月)現場A
8:00 集合|高橋・鈴木|持ち物:脚立、養生シート
8:30 搬入|高橋|終わり:資材を室内へ
10:00 下地|高橋・鈴木|終わり:写真を共有フォルダへ
15:00 片付け|全員|終わり:ゴミ搬出まで
翌日へ持ち越す作業:なし

最後の1行が要です。持ち越しを書く欄がないと、翌朝また段取りを一から組み直すことになります。

AIに下書きさせるプロンプト3種

工程表づくりで時間がかかるのは、作業の洗い出しと、遅れが出たときの引き直しです。日数の見立てと人の手配は自社で持ったまま、書き出す手間だけを渡してください。

プロンプト1|作業を洗い出して順番に並べる

次の案件を進めるために必要な作業を洗い出し、順番に並べてください。
・1件が半日から3日で終わる大きさに割る
・各作業に「前に終わっている必要のある作業」を番号で付ける
・日数は書かず、順番と前後関係だけを出す
・自社で決める必要がある箇所は「要確認」と書く
(ここに案件の概要を貼る)

日数を書かせないのが要です。所要日数は自社の人数と腕前で決まります。ここをAIに埋めさせると、それらしい数字が入ったまま関係者に配られます。

プロンプト2|洗い出した作業を工程表の形に整える

以下の作業リストを、次の列の表にしてください。
・No/作業の名前/担当/開始/終了/前工程/終わりの判定
・担当と日付が決まっていない行は空欄のままにする
・「終わりの判定」は、写真・書類・検査など目に見える形で書く
・判定が思いつかない行は「判定なし」と書く
(ここに作業リストを貼る)

「判定なし」と出た行が、後戻りの起きる場所です。そこだけ人が言葉を決めれば、表として使えるようになります。

プロンプト3|遅れが出たときの引き直し案を出させる

以下の工程表で、No3が2日遅れました。
・影響を受ける行を、前工程の関係からすべて挙げてください
・引き直し案を3つ出してください(後ろへずらす/並行させる/範囲を減らす)
・案ごとに、増える負担と、間に合わなくなる可能性を1行ずつ書いてください
・最終の期日は動かせません
(ここに工程表を貼る)

影響を受ける行の洗い出しは、人が手でやると必ず抜けます。ここはAIが速く、正確です。どの案を選ぶかは、職人の手配と原価を知っている人が決めてください。

プロンプトの組み立て方そのものはAIプロンプトの書き方、コツは5つだけにまとめています。表の形で渡したデータを読ませたいときはExcelやCSVをAIに読ませて分析する方法が近い作りです。

変更が出たときの直し方

工程表が使われなくなるのは、作った日ではなく、最初の変更が出た日です。直す手順を先に決めておかないと、各自が手元の版に書き込み、正解が分からなくなります。

決めておくこと具体的に
直す人1人に決める。他の人は連絡するところまで
版の表し方ファイル名の末尾に更新日を入れる(例:0916版)
伝える範囲表全体ではなく、変わった行だけを本文で伝える
直す頻度週1回の定例と、期日が動いたときだけ
古い版消さずに別フォルダへ移す。何を変えたか後で追える

変わった行だけを伝えるのが、いちばん効きます。更新版の表を丸ごと送っても、受け取った側はどこが変わったか探しません。「No3の終了が9/5から9/8へ。No4以降は2日ずつ後ろ」の一文で足ります。

変更の連絡を毎回口頭で回している場合は、その手間ごと減らせます。話した内容を文章に起こす手順は日報・現場報告をAIに任せる方法にまとめています。

AIに任せてはいけないこと

所要日数と人の手配は、自社の事情でしか決まりません。AIが引き受けられるのは、作業を並べる作業と、遅れの影響を数える作業までです。

任せてよい人が決める
作業の洗い出しと抜けの指摘1件あたりの所要日数
前後関係の整理と表への整形職人・協力会社の手配と重ね方
遅れが響く行の洗い出し天候・検査・立会いの押さえ方
引き直し案を3つ挙げる原価と工期の折り合い
前回案件との差分の比較発注者・元請への説明と合意

日数を空欄で出させてください。空欄なら人が埋めます。数字が入って出てくると、その数字が正しいかどうかを誰も確かめないまま配られます。

取引先名や現場の住所が入った工程表をそのままAIに貼るかどうかは、社内で先に決めておく話です。判断の目安は会社でAIに入れていい情報・ダメな情報にまとめています。「現場A」「B社」に置き換えれば、順番を整える用途には足ります。

工期と時間外労働の上限、請負契約での工期変更の扱い、下請への発注条件は、業種と契約の形で前提が変わります。
この記事では触れていません。
社会保険労務士、弁護士、元請の担当窓口に、自社の状況と合わせて確認してください。

まず直近の1件を、5項目に並べてみてください

新しい様式を作るところから始めると、たいてい手が止まります。いま動いている案件を1つ選び、残りの作業を5項目で書き出してください。紙でも構いません。

並べると、だいたい4番の「前に終わっている必要のある作業」で止まります。頭の中では分かっているのに、書こうとすると出てこない。そこが、その人しか進められない仕事になっている場所です。

1件書けたら、次の案件はその表を写して作れます。最初から全案件に効く様式を作ろうとすると、完成しないまま終わります。

ベテランの頭の中にしかない段取りを書き出して、会社の側に残していく流れはAI導入で何をつくるのかでご説明しています。

段取りを1人で抱えている状態から抜け出した例がCASE 06|スポーツ教室様です。1年分の記録を材料にして、集客から計画づくりまで回せるようになりました。工程表と同じで、頭の中にあるものを外へ出すところから始めています。

段取りを組めるのが、いつも同じ人。
その頭の中を会社の側に移すところから、30分で一緒に整理できます。

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