顧客管理台帳の作り方|そのまま使える12項目と業種別の型3種、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】
お客様の連絡先が担当者の携帯にしか入っていない。前に何を頼まれたかは、その人に聞かないと分からない。従業員が10〜50名ほどの会社で、顧客管理台帳を作ろうと決めたものの、並べる項目が決まらないまま止まっている。その状況に向けて書いています。
結論からお伝えします。顧客管理台帳が続かないのは、最初に項目を作りすぎるからです。入力する欄が30個ある表は、忙しい月に必ず止まります。先に決めるのは項目の数で、道具の種類ではありません。12個に絞れば1件3分で書き終わり、担当者以外でも埋められます。バラバラのメモを台帳の行に直すところは、AIに任せられます。この記事では、12項目の一覧と業種別の型3種、コピーして使えるプロンプトをご紹介します。
顧客の情報が担当者の中に閉じる3つの理由
お客様の情報が1か所に集まらないのは、担当者の意識の問題ではありません。決めていないことが3つあって、そこで記録が止まります。
| 止まる理由 | 現場で起きること | 先に決めておくこと |
|---|---|---|
| 置き場所が人ごとに違う | 連絡先は携帯の電話帳、要望は個人の手帳、見積の控えはメールの中に散らばる | 台帳は1枚と決めて、置き場所を全員に伝える |
| 何を書くかが決まっていない | 書く人によって量が違い、あとから探しても見つからない | 項目を12個に固定して、増やさない |
| 書く手間が本業を押しのける | 忙しい月から更新が止まり、半年で使えない表になる | 1件3分で終わる分量にそろえる |
いちばん多いのは置き場所です。台帳がどこにあるかを聞かれて、3人が別々の答えを出す会社は珍しくありません。ファイルサーバー、共有ドライブ、営業担当それぞれのパソコン。どれも間違いではない状態が、いちばん困ります。
置き場所は1つに決めてください。表計算ソフト1枚で足ります。専用のシステムを選ぶ話は、台帳が半年続いてから考えれば間に合います。
どの業務から手を付けるかを選ぶ材料は、業務の一覧表です。作り方は業務の棚卸しのやり方にまとめています。一覧の中で担当者が1人しかいない行に、顧客の情報が集まっていることが多くあります。
台帳に入れる項目は12個から始める
項目は少ないほど埋まります。次の12個で、折り返しの電話と引き継ぎに必要な情報はそろいます。
| 項目 | 書く例 | 決めごと |
|---|---|---|
| 顧客番号 | 2026-041 | 採番の規則を1つ決める。会社名の変更に強くなる |
| 会社名・氏名 | 株式会社◯◯ | 正式名称で書く。略称は備考へ |
| ふりがな | かぶしきがいしゃ◯◯ | 並べ替えと重複の発見に使う |
| 区分 | 法人/個人 | 2つだけ。細かい分類は後から足す |
| 担当部署・先方担当者 | 工務部・△△様 | こちらの担当ではなく先方を書く |
| 電話番号 | 022-000-0000 | 代表と携帯を分けず、つながる番号を1つ |
| メールアドレス | info@example.jp | 個人宛と代表宛のどちらかに統一 |
| 住所 | 宮城県仙台市◯◯ | 請求先と現場が違う場合は備考に併記 |
| 初回の接点 | 2024-05/紹介(△△様) | いつ・何で知ったかを1行で |
| 直近の取引 | 2026-07/定期点検 | 日付と内容だけ。金額は入れない運用も可 |
| 次にすること | 2026-09-10/見積の再提示 | 期日とセットで書く |
| 備考 | 電話は午前のみ・値引きの前例あり | 口頭で引き継がれている注意点を書く |
要になるのは「次にすること」です。この欄が無い表は、名簿にはなっても台帳にはなりません。担当者が代わったときに最初に見るのは、次に何をする約束になっているかだからです。
金額や単価をどこまで書くかは、社内で先に決めてください。見られて困る数字を入れた瞬間、共有できる範囲が狭まり、結局その人しか開かない表に戻ります。
そのまま使える型3種(業種別)
12項目は共通の土台です。そこに業種ごとの3項目を足すと、現場で使う形になります。自社に近いものを1つ選んでください。
| 型 | 向く業種 | 12項目に足す3項目 |
|---|---|---|
| 訪問営業型 | 建設・製造・卸売 | 決裁する人/次回訪問の予定日/競合先の有無 |
| 来店・会員型 | 小売・スクール・クリニック | 来店の頻度/好みと要望/ご家族・同伴者の情報 |
| 工事・修理型 | 設備・住宅・自動車 | 設置機器と型番/保証の期限/前回の施工日 |
訪問営業型で効くのは決裁する人の欄です。担当者と決裁者が違う会社では、この1行があるかどうかで話の進み方が変わります。担当者の頭の中にはある情報で、台帳に書かれていないことの筆頭です。
来店・会員型は、好みと要望の欄が資産になります。前回どこまで話したかが分かると、担当が代わった日でも会話が続きます。工事・修理型は、保証の期限を入れておくと、次の連絡のきっかけがひとりでに立ちます。
足す項目は3つまでにしてください。ここで欲張ると、12項目に絞った意味が消えます。
1枚に集めるまでの4ステップ
全件をそろえてから使いはじめようとすると、たいてい着手が止まります。使いながら埋めていく順番で進めてください。
| ステップ | やること | かかる時間の目安 |
|---|---|---|
| 1. 置き場所を決める | 共有ドライブに表計算ソフトのファイルを1つ作り、12項目の見出しを並べる | 15分 |
| 2. 直近1年だけ書き出す | 取引のあった先に絞る。休眠先は今回は入れない | 1件3分 |
| 3. 担当者に15分ずつ聞く | 「この会社で、あなたしか知らないことは何ですか」の1問から始める | 1人15分 |
| 4. 更新のきっかけを決める | 訪問した日・電話を切った直後など、行動とセットにする | 10分 |
ステップ3が、この作業でいちばん値打ちのあるところです。台帳に書いていない注意点を、担当者は必ず持っています。「あそこは午前中しか電話に出ない」「請求書は原本を郵送しないと通らない」。こうした話が、休んだ日に会社を止めます。
聞き取った内容を1枚に落とす形は引き継ぎ書の作り方と同じ組み立てです。台帳の備考欄と引き継ぎ書は、書く中身がかなり重なります。
ステップ4を飛ばすと、3か月で止まります。「毎週金曜に更新する」ではなく「訪問から戻ったら書く」のほうが続きます。思い出す必要のない決め方にしてください。
AIに下書きさせるプロンプト3種
そのままコピーして使えます。3本を順番に使う前提で作っています。
1本目:自社に合う項目を決める
顧客管理台帳を新しく作ります。
・下の12項目を土台として、当社の業種で足すべき項目を3つだけ提案してください
・提案する項目ごとに、それが必要になる場面を1行で説明してください
・4つ以上は提案しないでください
・入力に3分以上かかる項目は提案しないでください
(ここに12項目を貼る)
3つまでと数を切ることが要点です。上限を書かないと、20個の項目案が返ってきて、また埋まらない表に戻ります。
2本目:バラバラのメモを台帳の行に直す
・下の項目の並びに合わせて、1社1行の表に直してください
・メモに書かれていない欄は空欄のままにして、推測で埋めないでください
・どの欄に入れるか迷った内容は、備考に入れて末尾に「要確認」と付けてください
・会社名の表記ゆれ(株式会社の有無など)は、正式名称に寄せた候補を併記してください
(ここに項目の並びとメモを貼る)
推測で埋めさせないことが要点です。空欄のまま出てきた場所が、そのまま担当者に聞き直す一覧になります。
3本目:抜けている情報を質問リストにする
・空欄が多い順に、上位10社を挙げてください
・その10社について、担当者に聞くべきことを1社3問までにまとめてください
・質問は口頭で聞ける短さにしてください
・台帳から読み取れない事情の推測は書かないでください
(ここに台帳を貼る)
この3本を通すと、散らばったメモから台帳の初版までが1時間ほどで形になります。表計算ソフトの中身をAIに読ませて整える手順はExcelやCSVをAIに読ませて集計する方法にまとめています。
プロンプトが思ったとおりに動かないときは、指示の書き方を先に見直すと早く進みます。書き方の型はAIへの指示(プロンプト)の書き方でご説明しています。
AIに任せてはいけないこと
AIが得意なのは形をそろえることで、そのお客様との間に何があったかを知ることではありません。現場を見ていない答えは、もっともらしい形で出てきます。
| 任せてよい | 人が決める |
|---|---|
| メモを項目ごとに仕分ける | その情報が今も正しいか |
| 会社名の表記ゆれをそろえる | 同じ会社として統合してよいか |
| 空欄の多い先を洗い出す | どの先に連絡を取り直すか |
| 聞き取り用の質問をつくる | 備考に書いてよい内容の線引き |
いちばん危ないのは、AIに顧客の情報を推測で補わせることです。担当者名や役職はもっともらしく埋まりますが、根拠がありません。その1行を信じて電話をかけた先で、名前を間違えます。
お客様の氏名・住所・電話番号をそのまま貼るかどうかは、社内で先に決めておく話です。判断の目安は会社でAIに入れていい情報・ダメな情報にまとめています。「A社」「工務部の担当者」に置き換えれば、項目を設計する用途には足ります。
この記事では触れていません。名簿の扱いや第三者への提供を検討する場合は、
個人情報保護委員会の資料をご確認のうえ、弁護士・行政書士などの専門家にご相談ください。
まず20件・30分から始めてください
全顧客をそろえると決めると、たいてい着手が止まります。直近1年で取引のあった先を20件だけ選んで、12項目を埋めてください。30分あれば形になります。
20件でも、たいてい何か見つかります。同じ会社が2行ある。電話番号が誰の携帯か分からない。次にすることの欄が全部空いている。抜けている場所は、話しているときには見えず、表にした瞬間に見えます。
20件できたら、同じ形で残りに広げてください。1枚めができると、次からは同じ欄に当てはめるだけで済みます。最初に全社共通の完全な様式を作ろうとすると、完成しないまま終わります。
担当者の頭の中にあるお客様の情報を、会社の側に残る形にしていく流れはAI導入で何をつくるのかでご説明しています。
個人にたまっていたお客様ごとの記録を読める形にして、事業の判断に使えるようにした実例はスポーツ教室様の事例(CASE 06)でご紹介しています。生徒名や保護者名を仮名に置き換えたうえで扱っている点も、台帳をAIに読ませるときの参考になります。
「あのお客様のことは、あの人しか知らない」
その情報を会社に残す1枚を、30分で一緒に作れます。
まずは30分、話を聞いてみませんか
「うちの業務で使えるのか」を、実際にClaudeを動かしながらその場で確認できます。
ご契約前提でなくても大丈夫です。話を聞くだけのご利用も歓迎します。
- ✓非エンジニアでもOK
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お話しして「合わない」と感じられたら、その場でお断りいただけます。
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