電話対応マニュアルの作り方|そのまま使える受け答えの型4つと、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】

新人が電話を取るのを怖がる。ベテランが席を外すと、取り次ぎがそこで止まってしまう。マニュアルはあるはずなのに、誰も開いた形跡がない。従業員10〜50名ほどの会社で、電話の受け方が人によってばらばらになっている、その状況に向けて書いています。

結論からお伝えします。電話対応マニュアルが使われないのは、マナーの解説が書いてあって、実際に口に出す言葉が書いていないからです。新人が知りたいのは心構えではなく、受話器を取った次の一言です。逆に、自社で実際に使っている言葉さえ集められたなら、それを型に整える作業はAIに任せられます。この記事では、マニュアルに入れる5項目と、そのまま使える受け答えの型4つ、コピーして使えるプロンプトをご紹介します。

使われるマニュアルと、開かれないマニュアルの違い

電話が鳴っているとき、新人には調べる時間がありません。使われるかどうかは、中身の良し悪しより、鳴っている最中に目に入るかどうかで決まります。

開かれないマニュアル使われるマニュアル
分量全場面を1冊にまとめた20ページ場面ごとに1枚
中身心構えと言葉づかいの解説口に出す言葉をそのまま
置き場所共有フォルダの奥電話機の横に紙で1枚
想定読者全員入って3日目の人
更新作ったきり月1回、困った電話を1件足す

いちばん差が出るのは分量です。20ページの冊子は、読む時間があるときにしか開けません。電話は読む時間が無いときに鳴ります。1場面1枚にすると、鳴っている最中でも目で拾えます。

マニュアルが読まれずに終わる原因は電話に限りません。同じことが引き継ぎでも起きます。理由の整理は引き継ぎマニュアルが読まれない3つの理由にまとめています。

電話対応マニュアルに入れる5項目

会社の書式があればそちらが優先です。決まっていない場合は、次の5項目から埋めてください。ここが埋まれば、体裁は後から整えられます。

#項目書くことよくある抜け
1名乗り方会社名・部署・自分の名前をどの順で言うか「明るく名乗る」とだけ書いてあり、言葉が無い
2よくある用件と行き先多い順に5件、誰に回すかを名指しで「担当者に取り次ぐ」で終わり、誰が担当か書いていない
3聞き取る項目会社名・氏名・電話番号・用件・折り返しの可否番号を復唱していないので、かけ直せない
4不在のときの返し方戻る時間の伝え方と、折り返しの約束の仕方「席を外しております」だけで、次の約束をしていない
5自分で答えない線金額・納期・苦情は必ず代わる、と明記する新人が善意で答えてしまい、後から訂正の電話が要る

5番目を先に決めてください。新人が電話を怖がる理由は、答えられない質問が来ることではなく、答えていいのか分からないことです。「この3つは答えなくていい」と紙に書いてあるだけで、受話器を取るまでの心理的な負担が変わります。

2番目の「よくある用件」は、記憶で書くと外れます。実際に多いのは、思い出しやすい電話ではなく、毎日かかってくる地味な電話です。数え方は後半でご説明します。

そのまま使える受け答えの型4つ

自社の言い方に置き換えて使ってください。◯の部分だけを自社の言葉にすれば、そのまま1枚になります。

型1|受けるとき

「お電話ありがとうございます。◯◯(会社名)の◯◯(自分の名前)でございます」
(相手が名乗ったら)「◯◯社の◯◯様ですね。いつもお世話になっております」
(名乗らないとき)「恐れ入ります。お名前をうかがってもよろしいでしょうか」

名前を復唱する一言を必ず入れてください。復唱すると、聞き間違いがその場で直ります。取り次ぎ先を探している間に相手の名前を忘れる、という新人によくある失敗も消えます。

型2|取り次ぐとき

「◯◯(担当者)でございますね。ただいまおつなぎいたしますので、少々お待ちください」
(30秒を超えそうなとき)「お待たせしております。もう少しお時間をいただけますでしょうか」
(担当者へ)「◯◯社の◯◯様から、◯◯の件でお電話です」

3行目が抜けているマニュアルが多いところです。用件を一言添えて回すだけで、担当者が受けた瞬間から話が始まります。添えないと、相手は同じ説明を2回することになります。

型3|不在のとき

「あいにく◯◯は席を外しております。◯時ごろには戻る予定です」
「戻りましたら、こちらから折り返しお電話するように伝えましょうか」
(折り返す場合)「お電話番号をうかがってもよろしいでしょうか」→「◯◯◯-◯◯◯◯ですね。復唱いたしました」
「◯◯(自分の名前)が承りました。失礼いたします」

最後の「私が承りました」を型に入れてください。誰が受けたかが残るので、伝言が消えたときに追いかけられます。伝言メモに書くのは、会社名・氏名・電話番号・用件・受けた時刻・受けた人の6つで足ります。

型4|苦情の一次受け

「ご不便をおかけし、申し訳ございません。状況をお聞かせいただけますでしょうか」
(聞き終えたら)「◯◯という状況でお間違いないでしょうか」
「担当の者に代わりますので、少々お待ちください」
(担当者が不在なら)「本日中に、担当の◯◯から折り返しご連絡いたします」

一次受けの役割は解決ではなく、正確に受け止めて渡すことです。非を認める言葉と、不便をかけたことへのお詫びは別ものです。新人が判断できる話ではないので、「原因と責任の話には触れず、必ず代わる」と型に書いておいてください。金銭が絡む苦情や、法的な請求を含む申し出は、社内の判断を待たずに答えないでください。進め方に迷う内容であれば、弁護士にご確認ください。

AIに下書きさせるプロンプト3種

ここからはAIに渡す部分です。いずれも、自社のメモを貼ることが前提です。メモ無しで書かせると、どこにでもある一般論が出てきます。

プロンプト1|ベテランの言い方を型に起こす

以下は、当社のベテラン社員が電話を受けたときに実際に話している言葉の書き起こしです。
これを、入社3日目の人がそのまま読める「受け答えの型」に整えてください。
・言い回しは書き起こしのまま使い、きれいな敬語に直さないでください
・会社名や担当者名は◯◯に置き換える
・場面ごとに分け、1場面10行以内にする
・書き起こしに無い言葉を足した箇所は、行末に(追記)と印をつける
(ここに書き起こしを貼る)

「きれいな敬語に直さない」の一行が効きます。これを書かないと、AIはビジネス書に載っている模範解答へ寄せます。自社で通じている言い方のほうが、新人にとっては真似しやすいものです。

プロンプト2|1枚に収める

以下の電話対応マニュアルを、A4一枚に収まる分量まで削ってください。
・削るのは説明と心構えで、口に出す言葉は削らない
・削った項目を最後にリストで示す
・電話が鳴っている最中に目で拾える並びにする(頻度の高い場面を上に)
(ここに現在のマニュアルを貼る)

すでにマニュアルがある会社は、作り直すよりこちらが早く終わります。削った項目のリストが出るので、消えて困るものだけ戻せます。

プロンプト3|新人がつまずく箇所を先に出す

以下のマニュアルを、電話に慣れていない人の目で読んでください。
・「この場合はどうするのか」と迷いそうな箇所を10個挙げる
・それぞれ、マニュアルのどこを読めば分かるか、書いていないかを示す
・指摘だけを出し、本文は書き直さないでください
(ここにマニュアルを貼る)

作った人には、抜けている箇所が見えません。知っていることは書かなくても分かるからです。この1回で、たいてい3つか4つは実際の抜けが見つかります。新人に教える順番そのものを組み立てる話は新人教育・OJTをAIに任せる方法にまとめています。

自社の言い回しを集める方法

プロンプト1には、貼る材料が要ります。いちばん確実なのは、ベテランに書いてもらうことではなく、話してもらうことです。電話の受け方を文章で書ける人は、ほとんどいません。体で覚えているからです。

1. ベテランの前に座り、こちらが客役で電話をかける真似をする(5分)
2. 受ける・取り次ぐ・不在・苦情の4場面を1回ずつ演じてもらう
3. スマートフォンの音声入力で、話した言葉をそのまま文字にする
4. その文字起こしを、プロンプト1に貼る

15分で材料が集まります。「マニュアルを書いておいて」と頼むと数週間戻ってきませんが、その場で演じてもらうだけなら、たいてい断られません。

実際にかかってきた通話を録音して使う方法もあります。ただし相手のある録音は、社内の取り決めと、お客様への案内の仕方を先に決めてからになります。導入するかどうかは顧問の弁護士にご確認ください。上の4手順は自社内で完結するので、先にこちらで始められます。

「よくある用件」の数え方は単純です。電話機の横に紙を1枚置き、1週間だけ、受けた電話の用件を正の字で数えてください。頭の中の印象と、実際に多い電話は、たいてい一致しません。この書き出しの手順そのものは引き継ぎ書の作り方と同じ考え方です。

AIに任せてはいけないこと

内容
任せてよい書き起こしからの型おこし/分量を削る作業/抜けている場面の洗い出し/表の整形/言い回しのばらつきの指摘
任せない取り次ぎ先を誰にするかの決定/自分で答えない線の決定/苦情の返答内容/料金や納期の説明文/お客様の氏名や電話番号を貼ること

取り次ぎ先はAIが決められません。誰がどの用件を持っているかは、社内にしかない情報です。それでもAIは形を整えようとするので、空いた欄をそれらしい部署名で埋めることがあります。埋まった箇所は読んでも不自然に見えません。配布する前に、担当者名の1つずつを実在の名前と突き合わせてください。

貼る材料にも線引きが要ります。書き起こしにお客様の会社名や電話番号が混じっていたら、消してから貼ってください。線引きの基準は会社でAIに入れていい情報・ダメな情報にまとめています。「◯◯社」「担当A」に置き換えれば、型を作る用途には十分です。

マニュアルづくり全般の進め方はマニュアル・手順書づくりをAIに任せる方法にまとめています。電話以外の業務にも同じ手順が使えます。

まず1週間、かかってきた電話をメモしてみてください

マニュアルの目次から作り始めると、必ず手が止まります。先に、実際にかかってきた電話を1週間ぶん数えてください。用件と、誰に回したか。その2つだけで構いません。

数えると、たいてい1つ見つかります。同じ質問が週に何度もかかってきている。特定の1人にしか回せない用件がある。直す場所は、考えているときには見えず、並べた瞬間に見えます。

見つかったら、その用件1つ分の型から作ってください。1枚できると、次の1枚は同じ形で作れます。最初から全場面を揃えようとすると、完成しないまま止まります。

ベテランの頭の中にしかない受け答えを書き出して、会社の側に残していく流れはAI導入で何をつくるのかでご説明しています。

「あの人が休むと電話が止まる」
その状態をほどくところから、30分で一緒に整理できます。

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ご契約前提でなくても大丈夫です。話を聞くだけのご利用も歓迎します。

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