業務改善提案書の書き方|通る提案書の5項目と、AI(Claude)に下書きさせるプロンプト例【2026年版】
現場から改善のアイデアは出ているのに、提案書の形にできず止まっている。前に出した一枚は、読まれた形跡もないまま戻ってきた。何を書けば読んでもらえるのかが分からない。改善提案を書く立場の方と、それを受け取って判断する社長に向けて書いています。
結論からお伝えします。提案が通らない理由の多くは、中身ではなく、判断に必要な材料が足りないことです。決める人が見ているのは「やるかどうか」ではなく、いくらかかって何が減るかです。逆に、現状と数字を5項目に分けて書き出せたなら、文章に組み立てる作業はAIに任せられます。この記事では、通る提案書の5項目と、そのまま使える型3つ、コピーして使えるプロンプトをご紹介します。
通る提案書と、通らない提案書の違い
同じ内容でも、書き方で結果が変わります。違いは熱意ではなく、読んだ人がその場で判断できるかどうかです。決める人は、提案の良し悪しより先に、決めたあとに何が起きるかを知りたがっています。
| 通らない提案書 | 通る提案書 | |
|---|---|---|
| 出発点 | 「困っています」 | 「いま、これに月◯時間かかっています」 |
| 中心にあるもの | 不満と要望 | いまの事実と、変えたあとの差 |
| 数字 | 無い、または「かなり」「多い」 | 件数・時間・金額のどれか1つ |
| 範囲 | 全体をまとめて変える | 1つの作業に絞る |
| 読み終えたあと | 「検討します」で止まる | その場で可否を判断できる |
いちばん差が出るのは範囲です。「全社の業務フローを見直す」は、読む側にとって判断が重すぎます。決められないので保留になります。1つの作業に絞ると、失敗しても戻せる大きさになり、その場で「やってみて」と言えます。
提案を会議にかける場合は、資料より先に議題の立て方で決まります。会議の組み立ては会議アジェンダの作り方にまとめています。
提案書に入れる5項目
会社の書式があればそちらが優先です。書式が決まっていない場合は、次の5項目を先に箇条書きで埋めてください。ここが埋まれば、あとは並べ替えるだけです。
| # | 項目 | 書くこと | よくある抜け |
|---|---|---|---|
| 1 | いまのやり方 | 作業の順番をそのまま書く | 「非効率です」と評価だけ書いて、作業が見えない |
| 2 | 困っている事実 | 時間・件数・回数のどれかで書く | 「大変です」「負担が大きい」で止まる |
| 3 | 提案の中身 | 明日から何をどう変えるか | 道具の名前だけで、誰が何をするかが無い |
| 4 | かかるもの | 費用、手間、慣れるまでの期間 | 費用だけ書いて、覚える手間を書かない |
| 5 | 変わること | 減る時間、減るミス、増える売上のどれか | 「効率化されます」で終わる |
2番と5番は対にしてください。2番で「月10時間かかっている」と書いたなら、5番は「月3時間に減る」と同じ単位で書きます。単位がそろっていないと、読む人が頭の中で計算する必要が出てきます。その手間を相手に渡すと、後回しにされます。
4番を正直に書くほど通りやすくなります。いいことだけが並んだ提案は、読む側が身構えます。覚えるのに2週間かかる、最初の1ヶ月は前のやり方と並行する。こうした面倒を先に書いてあると、書いた人が現場を分かっていることが伝わります。
そのまま使える型3つ
5項目が埋まったら、次の3つのどれかに流し込んでください。どれもA4で1枚に収まる長さです。枚数を増やすほど読まれなくなります。
① 手間を減らす提案(いちばん使う型)
1. いまのやり方(作業の順番)
2. かかっている時間(1回◯分 × 月◯回)
3. 変えること
4. 変えたあとの時間(見込み)
5. かかるもの(費用・覚える手間)
6. まず試す範囲と期間(◯◯だけ、◯週間)
以上
6番があるかどうかで通り方が変わります。「まず1部署だけ、3週間」と書いてあれば、決める人は小さく賭けられます。うまくいかなければ戻せると分かっているので、判断が軽くなります。
② お金の出入りに関わる提案
1. いまかかっている費用(月額・年額)
2. その内訳
3. 提案(何をやめる、何に替える)
4. 差額(初期費用を含める)
5. 元が取れるまでの期間
6. やめたくなったとき、元に戻せるか
以上
6番を書ける提案は強いです。戻せる提案は失敗の上限が見えています。契約の縛りや、解約したときにデータが残るかどうかは、金額と同じくらい判断を左右します。
③ 新しい道具や仕組みを入れる提案
1. いま人がやっている作業
2. そのうち、機械に任せられる部分
3. 任せられない部分(人が残る作業)
4. 初期費用と月額
5. 導入後、誰が面倒を見るか
6. 3ヶ月後、何をもって「入れてよかった」と判断するか
以上
抜けやすいのは3番と5番です。全部が自動になる書き方をすると、現場は身構えます。人が残る作業を先に書いておくほうが、話が通ります。5番が空欄の提案は、通ったあとに止まります。入れた道具の世話をする人が決まっていないと、誰も触らないまま契約だけが残ります。
AIに下書きさせるプロンプト3種
5項目のメモが手元にあれば、ここから先は速く進みます。そのままコピーして、括弧の中を差し替えてお使いください。
① メモから提案書の下書きを作る
・順番は「いまのやり方 → 困っている事実 → 提案 → かかるもの → 変わること → まず試す範囲」
・メモに無い数字を書かないでください。足りないところは「(未記入)」と残す
・効率化、最適化、抜本的、といった言葉は使わないでください
・A4で1枚に収まる長さ。1文は60字以内。敬体で書く
(ここに5項目のメモを貼る)
3つ目の縛りが効きます。この一行が無いと、下書きは「業務効率の最適化を推進します」のような文になって戻ってきます。読んだ人が中身を想像できないので、質問が返ってくるだけです。
② 決裁する人の立場で、質問を出させる
・費用、手間、誰がやるか、失敗したときに戻せるか、を優先して聞く
・答えにくい順に並べてください
・本文は書き直さず、質問だけを出してください
(ここに下書きを貼る)
「書き直さず、質問だけ」と縛るのが大事です。縛らないと、正しい指摘に混ぜて本文を全面的に書き換えてきます。書き換わった文面には、自分が確かめていない数字が入っていることがあります。ここで答えられなかった質問が、そのまま会議で聞かれる質問です。
③ 中身の無い言葉を置き換えさせる
・効率化、最適化、強化、推進、徹底、といった言葉を指摘する
・それぞれ「誰が」「何を」「どう変えるか」に置き換える案を1行で出す
・指摘と置き換え案だけを出し、本文は書き直さないでください
(ここに下書きを貼る)
提出する前に、この1回を挟んでください。「徹底します」が「担当を1人決めて、木曜の朝に確認します」に変われば、それだけで通り方が変わります。
提案が通ったあと、社内の決裁に回す文書は書き方が変わります。決める人に向けた書き方は稟議書の書き方にまとめています。
数字が出せないときの書き方
数字が無いから書けない、と止まる方が多いところです。正確な数字は要りません。ストップウォッチで測る必要もありません。次の3つで足ります。
2. 月に何回やっているかを、カレンダーやメールの履歴から数える
3. 「◯分 × 月◯回 = 月◯時間(概算)」と書き、概算だと明記する
概算だと書いてあれば、それを理由に突き返されることはあまりありません。数字が1つも無いほうが、読む人は判断できません。粗くても大きさが分かれば、話が前に進みます。
どうしても回数が分からない作業なら、提案の中身を変えてしまう手もあります。「2週間だけ記録を取らせてください」という提案に切り替えます。費用がかからないので通りやすく、記録が集まれば次の提案の材料になります。記録の型は日報のテンプレートが使えます。
AIに任せてはいけないこと
| 内容 | |
|---|---|
| 任せてよい | メモからの下書き/言い回しの点検/抜けている質問の洗い出し/表の整形/長い文の分割 |
| 任せない | 現状の数字の確定/費用の見積もり/社内の事情をふまえた判断/人の配置に関わる判断/提出するかどうかの判断 |
数字はAIが作れません。AIは貼られたメモの範囲でしか現場を知りません。それでも文章としてつながるように書くため、空いたところをそれらしい数字で埋めることがあります。埋まった箇所は読んでも不自然に見えません。提出前に、数字の1つずつを自分の記憶と突き合わせてください。
もう1つ、人が関わる提案には気をつける点があります。作業を減らす提案は、その作業をしている人が読みます。「この作業は不要です」と読める書き方をすると、内容の議論に入る前に話がこじれます。減らすのは作業であって人ではない、と書き方で示しておいてください。担当や勤務の条件そのものを動かす話が混じるときは、進め方を社会保険労務士にご確認ください。
入れる情報にも線引きが要ります。取引先名、金額、人の名前をそのまま貼ると、社外のサービスに社内の情報を渡すことになります。線引きは会社でAIに入れていい情報・ダメな情報にまとめています。「取引先A」「担当B」に置き換えてから貼ってください。
まず1枚だけ、いまのやり方を書き出してみてください
提案書から書き始めると、必ず手が止まります。先に、いまやっている作業の順番だけを箇条書きにしてください。朝いちばんに何を開いて、どこに転記して、誰に送っているか。それだけで構いません。
書き出すと、たいてい1つ見つかります。同じ数字を2箇所に入力している。確認のために毎回同じ人に聞いている。変えられる場所は、頭で考えているときには見えず、並べた瞬間に見えます。
見つかったら、その1つに絞って提案してください。1つ通れば、次の提案は通りやすくなります。最初の1枚で全体を変えようとすると、判断が重くなり、通っても動きません。
社内の作業を書き出して、AIに任せられる範囲を切り分けるところまでの流れはAI導入で何をつくるのかでご説明しています。
「改善のアイデアは出るのに、形にする時間が無い」
その段階のご相談から、30分で一緒に整理できます。
まずは30分、話を聞いてみませんか
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