アンケートの集計と自由記述の要約をAI(Claude)に任せる方法|分類の軸から作らせるプロンプト例つき【2026年版】
アンケートを取ったところまではよかった。選択肢の集計は出したものの、自由記述の欄が数十件たまったまま手つかずになっている。お客様アンケートや社内アンケートを自分で集計している方に向けて書いています。
結論からお伝えします。アンケートで時間を食っているのは数を数える作業ではなく、自由記述を読んで「で、何が言われているのか」を言葉にする作業です。ここはAIに任せられます。この記事では、任せていい範囲と任せてはいけない範囲を線引きしたうえで、そのままコピーして使えるプロンプトをご紹介します。
止まるのは集計ではなく自由記述
アンケートの作業を分解すると、4つに分かれます。どこで手が止まっているか、ご自身の作業を思い浮かべながら見てください。
| 作業 | 中身 | つらさの正体 |
|---|---|---|
| 配る・集める | 紙かWebフォームで回収する | 集まるまで待つしかない |
| 選択肢を数える | 件数と割合を表にする | 単純だが件数が多い |
| 自由記述を読む | 何を言われているのかを掴む | 読んでも言葉にならない |
| まとめる | 報告できる形にする | 誰に何を伝えるか決まっていない |
Webフォームの集計機能が解決してくれるのは2つ目までです。3つ目の「自由記述を読む」は、機能では埋まりません。40件の文章を読み終えたころには最初の10件を忘れていて、結局「おおむね好評でした」としか書けない。よくある行き詰まり方です。
選択肢の集計そのものをラクにする話はExcel・CSVの集計をAIに任せる方法にまとめています。この記事はその先、数字にならない部分を扱います。
任せていい仕事と、任せてはいけない仕事
先に線引きをはっきりさせます。ここが曖昧なまま使うと、AIが出した要約をそのまま社内に配ってしまい、あとで「そんなことは書いていない」ともめます。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 任せていい | 自由記述の分類/分類の軸そのものの候補出し/原文を添えた要約/件数の少ない意見の抜き出し/報告文の下書き |
| 任せない | 件数と割合の最終確認/回答者が誰か分かる記述の扱い/設問がよかったかどうかの結論/人の評価や処遇に直結させる判断 |
考え方は長い資料を読む時間がないときAIに任せる方法と同じです。読む速さはAI、意味づけの責任は人。この一線を引いておくと、あとから見直すときに疑うべき場所がはっきりします。
とくに社内アンケートは注意が必要です。「1人しかいない部署」「入社時期が特定できる書き方」は、匿名で集めたつもりでも書いた人が分かってしまいます。処遇に関わる使い方をする場合は、社内での扱いを決める前に社会保険労務士へご確認ください。
渡す前の3つの下ごしらえ
ここを飛ばすと精度が落ちます。5分で終わります。
- 名前と連絡先の列を消す。回答の中身だけを残します。氏名・メールアドレス・電話番号は集計に使いません
- 本文中の固有名詞を置き換える。「〇〇店の△△さん」は「A店の担当者」に直します。人物評価がそのまま残ると、報告の場で話が脱線します
- 1行1回答の形にそろえる。Excelなら1列に縦並び。改行だらけの回答は1件ずつ番号を振っておきます
どこまで消すべきかの判断基準は会社でAIに入れていい情報・ダメな情報に整理してあります。お客様の声を扱うときは、社内で先にルールを決めておいてください。
そのまま使えるプロンプト3種
① 分類の軸をAIに作らせる
いきなり「分類して」と頼むと、AIは無難なカテゴリを勝手に決めます。軸を先に出させて、人が選ぶ。この順番にすると精度が変わります。
まず、この回答群を分けるとしたらどんな軸がありうるかを、5つまで挙げてください。
それぞれの軸について、当てはまりそうな回答の番号を3件ずつ例示してください。
どの軸にも入らない回答があれば、その番号も挙げてください。
出てきた軸を見て、自社の関心に合うものを2つか3つ選びます。「価格」「接客」「待ち時間」のように誰でも思いつく軸だけでなく、「来店前の期待とのズレ」のような軸が混ざってくることがあります。拾いたいのは後者です。
② 選んだ軸で分類し、原文を並べる
表にして、列は「軸/件数/回答番号/原文のまま引用(3件まで)」としてください。
・言い換えず、原文のまま引用してください
・1つの回答が複数の軸にまたがる場合は、両方に入れて理由を書いてください
・どの軸にも入らない回答は「その他」に分け、捨てないでください
「原文のまま引用」の一文が要です。これを書かないとAIはきれいな言葉に整えてしまい、お客様が実際に使った言い方が消えます。「安い」と「思ったより高くなかった」は、報告書では同じ扱いになっても、意味はまるで違います。
③ 少数だが重い意見を拾う
件数の多い順に並べると、1件しかない指摘は表の下に沈みます。ところが商売に効くのは、その1件だったりします。
・具体的な場面が書かれているもの(いつ・どこで・何が起きたか)
・二度と来ないと読み取れるもの
・良い評価のうち、理由まで書かれているもの
それぞれ原文を引用し、なぜその分類にしたかを1行で添えてください。推測で補わないでください。
3つ目を入れておくのがコツです。褒めてもらった理由が言葉で残ると、そのまま販促に使えます。不満の声への返信文が必要になったときはクレーム対応の返信文をAIに任せる方法もあわせてどうぞ。
よくある失敗は「数えて終わる」
集計後の報告でつまずくパターンは、だいたい次の2つです。
| 失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 件数だけ数えて終わる | 「満足80%」で会議が終わり、翌月も何も変わらない | 軸ごとに原文を1件添える |
| カテゴリを先に決める | 用意した箱に入らない声が「その他」で消える | ①で軸から作らせる |
もうひとつ、AIが出した分類をそのまま信じないでください。「その他」に入った回答だけは、必ず人が目を通します。ここに新しい論点が眠っていることが多く、件数も少ないので数分で読めます。
中小企業で効く4つの場面
- お客様満足度アンケート/来店理由と不満を分けて読む。販促の言葉づくりにも使える
- 社内アンケート/働きやすさの声を軸ごとに整理する。個人が特定できる記述の扱いは先に決めておく
- セミナー・展示会の感想/次回の企画に反映しやすい形で残す
- 問い合わせフォームの自由記入欄/アンケートを取らなくても、すでに手元にたまっている
4つ目は見落とされがちです。あらためてアンケートを取らなくても、問い合わせフォームの自由記入欄が数十件たまっている会社は多いです。まずそこから読み直すと、新しく回収する手間なしで始められます。
まず1回分だけ試してみてください
手元にある直近のアンケート、あるいは問い合わせフォームの自由記入欄を20件ほど用意してください。①の軸出しと②の分類の2つだけで、報告に使える形になります。
慣れてきたら③を足す。順番はこれで十分です。最初から全設問を分析しようとすると、たいてい途中で止まります。
お客様の声をどこまでAIに読ませてよいか、社内のどの作業から手をつけるかは会社によって変わります。何をどう組み立てるのかはAI導入で何をつくるのかでご説明しています。
「集めたきり読めていない声が、社内にたまっている」
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